COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
2012年1月。
そこはまだ、ただのガランドウの箱だった。
ねじまき雲(陽)誕生以前のことである。
お店を移転再開させるため、一時休業。
また一から総てやり直しだった。
何もない。
しかし、ねじまき雲を始めたことで、人の縁が出来ていた。
ある常連さんからは椅子を貰い
ある同業者からは棚を貰い
ある古道具屋さんからはエッセンスを調達して貰った。
この話しは長い。だからはしょる。
私の珈琲屋稼業物語は
また何か別の機会があれば、書きたいと思う。
ようは、その古道具屋こそが、表題の「マルポー」http://marupo967.blog27.fc2.com/
である。
変な名前である。ちょっとフランスの探偵風でもある。
ねじまき雲が青梅のみで営業しているころ開業した笹本氏の古道具屋「マルポー」は
瞬く間に当店の常連さん達の心を鷲掴みにしていった。
ジュエルリングをご存知だろうか?
私が幼いころ流行った飴で、どでかいダイヤモンドカットの飴ちゃんが指輪についていて
それを指にはめてペロペロするのである。
私がある日彼のお店を訪ねた時、そこそこチマタの評価が高い黒琺瑯のヤカンのトップが
まさしくその飴ちゃんのような、安っちいプラスチックの宝石になっているのを見つけた。
普通やらない。笑うしかない。斬新なそのアンバランスが、かえって絶妙に全体とマッチして、
二マリと笑えるのである。
彼の「直し」である。
彼は普通の古道具屋ではない。
もはや一人のアーティストである。
仕入れも、他の業者なら手を出さないであろう
得体の知れないものや、決して古くないリサイクル品。果ては海外のお土産品まで
扱っている。
しかしそのどれもが、グッとくる何か共通する芯がある。
仕事を聞かれれば「古道具屋」と答えるかもしれない。
しかし枠に収まらず、彼独自のセンスという枠で生きている。
見ているほうも、古い新しい、高い安いは、もうどうでもよくなる。
彼のセンスを買いに行くのである。
それを楽しめるか否か。だけである。
私も問われれば「珈琲屋」と答えるが、おそらく普通の珈琲屋ではないのだろう。
何か同じ匂いのするマルポーさんがとても好きになった。
そのマルポーさんの仕入れがあったお陰で、ねじまき雲(陽)は
他に類を見ない、どこか別の次元に存在する空間に仕上げることが出来た気がする。
今回のヒグラシドリ展。
架空の工房をでっちあげ、さも実在するかのように「ヒグラシドリ」のタグまでこしらえ
工房で作品創りに使う道具や何か訳のわからないパーツをも
皆様に売ってしまおうという試みである。
やってみると、作品の他に置かれた古道具や、パーツや、訳の分からないものたちが
空間に一体感と楽しさを産み出してくれた。
もうお分かりだろう。
工房、ヒグラシドリ工員(クルー)の一人は、「マルポー」の笹本氏である。
キリンの革型抜き。栓抜き。円のケガキ。
今週に一度追加搬入してもらったヒグラシアイテム。
相変わらずステキセンスだ。
それを私の見立てで、ディスプレイしてゆく。
売り切れご免。
かつてガランドウだった箱は
2014年の2月5日まで、
おもちゃ箱のように賑やかになる。
架空工房「ヒグラシドリ」
ねじまき雲(陽)にて絶賛展示中。
あ、ちなみに「マルポー」
店主、笹本邦好さんのお名前の「邦」が「ポウ」とも読むから
それを◯で囲って屋号にして
「マルポー」だそうだ。
やっぱり、愉快だネ(笑)。
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