COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
昨日朝5時半、バイクであきる野に向かった。
突き刺さる寒さを切り裂き、それでも背中から昇る金色の太陽が温かい。
信号待ち、ふと空を見上げるとスカイブルーにグレーのちぎれ雲が点々とし
二本の飛行機雲の白が寄り添って空の高みに消えていた。
出張珈琲の現場「真木テキスタイルスタジオ」に着くと、
スタッフの方々が、布の屋根を庭に架けている。
ブルーとグレーの屋根には早々に秋色に色づいた落ち葉が舞い降りる。
下から見上げるとそれは今朝見た空によくにていた。
あぁ、そこもかしこもキャンバスだ。
自然と人が織りなす丸みを感じる時、人の心は生きるのだ。
そこらじゅうが生きていることで、日々はいっぱいなのだ。
そう思えた朝。
「真木テキスタイルスタジオ」はいつも変わらずそこにあるようで
いつも進化している。
今回の「晩秋のmaki」展も、試みで充ちている。
織機の幅で織物の端には耳と呼ばれる織幅の印が出来る。
立体に起こすときには耳は切り落とされ形が作られる。
近年の織機は幅が広いので、ほとんどこの織り端の耳は服に残らない。
昔のデニムなどは古い幅狭の織機で織られているので
この耳が服の裏側に残っていることが多く、
赤色の耳から「赤耳」と言って私の若いころなどは珍重したものだ。
その耳を生かしたコートが壁にかかっていた。
生かされたそれは、とても美しく表面に顔を出し堂々としている。
上の画像の服は一枚の布から出来ている。
太古の貫頭衣に通じる思想と、生き物から頂く息づく織物を
切り裂いて殺さないというインドのサリーに見られる思想。
それに洋服という近代の洗練されたスタイルが見事に一枚に表出した衣である。
ゆえに織りの段階で数か所切れ目を織りで作り、
最小限に鋏を入れ、まるで折り紙のように作られている。
ここにも、人と自然、そして文化。そのすべてが生きている。
殺さず生かす。
樹々から土から空から海や川から頂き、形づくる。
固いものから柔らかいものへ。新しいものから朽ちるものへ。
土に還りそこからまた生が声を上げる。
丸い球の上の営みがここでは一枚の布として見てとれるのである。
私の珈琲のなかにも、そういうものがあるといいと思う。
布の空の下、
気持ちのよい服を纏い、カレーを食べながら風に身を置き
落ちる葉の音と珈琲の香りを聴く晩秋もなかなかいいかもしれない。
*11月12日(水)~21日(金)までの期間
ねじまき雲は実店舗の営業はございません。ご注意ください。
当店の真木テキスタイルスタジオ出張珈琲は
11月14日(金)~18日(火)12:00~17:30 LO17:00
となっております。
展示会自体は20日(木)まで行われております。
期間中は竹林カフェスペースにおきまして
ラケッシュさんの作るタンドールで焼くチャパティ、冬野菜のカレーのご提供が
ございます。
詳細は真木テキスタイルスタジオHPをご参照ください。
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