COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
茶柱が立ったためしがない。
立ったからどうということはないのだけど、
縁起のいい気持ちにはなれるのかもしれない。
それと同じ類いで、長年追い求めていた現象というのがある。
なんて言うと大げさに聞こえるけど、
私にとっては毎回真剣勝負なのである。
自分で言うのもなんだが、あまり運のいい質ではない
もしその現象が起こったのならそれは、
茶柱どころではなくラッキーだと思っていた。
確率的にどちらが高いかは解らないけど、
数十年お目にかかったことがないので、どっこいどっこいなのだろう。
これである。
しらすのなかのたこ。
ついに。ついに!
ある日突然この、しらすたこ現象が私にももたらされた。
聞くには聞くがこれほど出逢わないと、もはや都市伝説かと思っていたが
どうやら本当だったらしい。
わざと感すら漂う桜色のたこ。
パッと目の前が明るくなった気がした。
右も左も同じような雑踏に紛れた異質のマイノリティは、
探し求めていた人にとっては、明かりになり得るのかもしれない。
とは言い過ぎだけど、
普段から幸が薄いと普通の人には下らないことでも
感動もひとしおでお得だ。
しらすのなかのたこのような我が店を
見つけてご愛顧くださる方々には、いつも感謝の念に堪えない。
国分寺のお店は青梅と違って
お客様との「会話」は極力抑えるスタンス。
珈琲と空間と文字、互いの佇まいから感じ取る「対話」のみが
コミュニケーション手段となっている。
別に心を閉ざしているわけではない。
もちろん会話を交わすお客様もいらっしゃるのだが、
こちらの間合いを越えて斬り込まれない限り
あまり詳しく何をしている何者なのか詮索することはない。
言葉を介在させない間柄にも関わらず
足しげく、あるいは数か月に一度くらい
通って下さるお気持ちが本当にあり難い。
最近、そういう方々が
別れのご挨拶にお越しくださることが多くなった。
春は別れのシーズンなのだ。
卒業や転勤に移住。
理由は様々だが、そこで初めて少しだけその方を知る。
切なくも嬉しい瞬間だ。
わざわざ一珈琲店を最後に訪ねて下さる。
そういう存在になれていたのだなぁという嬉しさと、
その方が次にどういう土地でどのように暮らすのかを知ると
ワクワクもする。
当店としてはただでさえ少ない来客の中の
さらに数少ない良いお客さんが減ってしまうので
ワクワクしてばかりいられないのだけれども
知れた方が世界中に散っていくと思うと、なんだか楽しい。
もしかしたら、最後まで言葉ではお伝えにならず
ひっそりと心の中で別れを告げにいらっしゃって下さる方も
いるのかもしれないな、とも思う。
見なくなったお客様の、珈琲を飲む後ろ姿をふと思い出し
あの人どうしているかな?と突然想うこともある。
皆さま、
行った先々の街でまた
しらすのたこのようなお店を
見つけられるといいですね。
たこだけに、どうかご多幸を。
お元気で・・・
声なき言葉を、ここに託します。
おまけ。
たこより確率は高いが、さらに近頃こんなのが・・・。
お分かりだろうか?
拡大してみよう。
うわっ!?なんだこりゃ?
エビの他に謎のエイリアンの子供が!!
ゾエアかしら?
まぁ探すと世の中いろんなヤツが紛れ込んでいるもんです。
いろいろあって楽しいと認めてさえいれば、争いは起こらない。
ラブ・アンド・ピース。
・・・それにしても
最近こんなことで運を使い果たしてしまっている気がするなぁ~トホホ。
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