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自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
お店の近く、お鷹の道を歩く。
棒っきれのようなものが道幅を塞いでいる。
近づくと、びょーんと弓なりに棒っきれが飛びのいた。
とても立派なアオダイショウだ。
こんな人家ひしめく傍にも、貴重な自然が残っているからこそ
食物連鎖の成り立っている様が、まるまると肥えた蛇にも見てとることが出来る。
雑木林を通れば、斥候らしきオオスズメバチが
ウロウロと棲家の目星でもつけているように彷徨っている。
スズメバチは秋口活発さを増す。
この季節、あまり雑木林などの木のうろや根などを
うかつに掘り返したり踏みつけては、彼らの怒りを買うことになる。
そっと通り過ぎるが吉である。
路地に入り込み湧水の小路をゆけば、
そこかしこの木陰から「リリリ」と、よく聞く秋虫の声が聞こえる。
鳴き声を調べてみると、
ツヅレサセコオロギというものらしい。
昔の人たちがこの虫の鳴き声を
「肩刺せ、裾刺せ、綴れ刺せ」と例え
もうすぐ来る冬に向けた秋口、着物のほころびを直す季節が来たぞと、
冬支度の手入れを促すものとしたそうだ。
なんでも無理くり生活に結び付けてしまう古人の
知恵というか可笑しさのようなものを感じずにはいられない。
今後、夜道に響くリリリを聞いたら、衣替えの合図と
心に留め置くとよい。
帰りがけ、農家の軒先の無人販売所で、ニラとナスと柚子を買う。
無人なのに、農家のオジサンが側で作業している。
ご近所さんが「葉ものはないの?」と聞いている。
オジサンが「今はねぇな~」と応える。
雨が無かったり、暑かったりで、今年は野菜が芳しくないそうだ。
さて、豆腐でも買って今夜はニラ鍋にでもしますか。
おっと、重要なお知らせを忘れるところでした。
秋口の衣替え、天候不順は何も日本に限ったことではありません。
珈琲事情もあまり芳しくはないのです。
当店の主力豆のひとつ、ペルーがこのたび日本在庫の底が尽きました。
今月中には生豆が日本入港とのことですが
本日からしばらく当店のペルーは欠品扱いとなります。
豆の衣替えよろしく、代替えのもので味づくりの真っ最中。
ゆえに、ブレがひどければブレンドの一部が欠品扱いになる可能性もございます。
他の豆の状況もあまり良いとは言えず、
ペルーと同じく中庸な味の中核を担っておりましたパプアニューギニアの一種類が
豆の高騰による入手困難で、業者さんから手を引くとの知らせが届いております。
最悪、味があまりにも作れない場合、臨時休業などもあるかもしれません。
この時期はなにかと、移りゆくものなのでしょう。
新しい衣を試すいい機会と捉えて、前向きに前向きに冬に向かいましょう。
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