COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
いろんなものを、口にしてきました。
世界一不味い飴サルミアッキに、
カイコ、ざざ虫、イナゴ、ワニ ♪
エゾシカ、ヘラジカ、クマ、トド、クジラ。
石、砂、葉、木、土、鉄、墨汁 ♪
美味しいものから、食べられないものまで。
コーヒーの仕事についた時、先輩のクラシフィカドールから
言われた言葉。
「何でも目に付いたものは、口にしなきゃダメ。木でも石でも舐めなさい。
じゃなきゃ、味を判断することなんて出来ないヨ。」
商社付きの、おそらく日本トップクラスの鑑定士は、こう言っていました。
「よく、コーヒーの仕事するならタバコを止めろなんて、偉そうなこと言うコーヒー屋がいるけど、
タバコ吸うくらいで、コーヒーの味わかんなくなるようなら、コーヒー屋なんて辞めちまえ。
もともと味覚センス無いんだよ。そういうヤツは。」
過激です。
確かにネ、タバコや葉巻の味を知らないと出来ない、ブレンドの開発があることも事実ですケド。
でも、お二人とも恐るべき味覚と嗅覚を備えておりました。天性と、経験と努力なのでしょう。
だからってネ。
腐ったものを食え、とは言われては無いのですが・・・・。
今回は強敵です。
どう見ても腐っているのですが、スウェーデン人に言わせると、醗酵なので、
「食えますヨ。」と加工されている以上、口にしなければなりません。
ギャ~ッ!!
よりによって、骨も内臓もご丁寧にしっかり入っています。
これはもう、殺人現場です。
生のまま醗酵させ、缶詰にしているのは仕方ないとしても、
骨くらいとって切り身にしてほしかったナァ。
どうやら本場の食べ方は、芋、赤タマネギなどで和え食し、食後にトマトを食べたり
パンにチーズなどを塗って、シュールストレミングをのせて食すというものらしいです。
アンチョビみたいな味だといいナァ~。
参加者の一人が自家製パンを持ってきてくれていましたので
それにのせて食べることにしました。せっかくのパン、ごめんなさい。
まずは、身の部分を
胡椒と粉にんにく、ピクルスとチーズをのせていただきます。
口に含むと前日記で書いた香りが充満し、ゲンナリします。
かろうじてピクルスの酸味が、やる気を起こさせてくれるので噛みしだきます。
「あぁ、食えないことも無い。食えないことも無いけどサ、
わざわざコレを造る意味がわからない。」
何をしても隠し切れない香りです。
味が、ピッタリあてはまるのは、沖縄の料理「スクガラス」がちょっと賞味期限切れて強烈になった感じです。
*スクガラスはアイゴの稚魚を生のまま塩漬けにしたもの、ちなみにアイゴってトゲに毒あるみたい。
沖縄人もアメージング。
塩ッ気が強く、ツナっぽさもある感じです。でも生臭い。
若干の腐敗した酸も感じ取れます。
「キムチが合うヨっ。」なんて言う方もいるもんで、
試しに、魚のカケラとカクテキで味わいます。
「まぁ・・・・・。ましだけど、確実にお魚が要らない(泣)。」
カクテキ大好きの私はそう思うのでした。
つづいて、内臓をいただきます。
これも、パンにのせ、ジャガイモ、タマネギ、キャベツ、チーズ、粉にんにく、胡椒をかけます。
「クサッ!!食感キモッ!!苦ッ!
いいこと無しです。」
臭いは噛みしだくほどに強烈です。ひと噛みごとにやる気を奪います。
非常にしょっぱいおトイレを、築地市場のゴミ捨て場で食べている感じです。
まぁ、おトイレなんて食べたことないですけどネ。
私はこの時点で、まったくやる気がなくなりました。
参加者も、始めてから、二人が脱落、途中退場となりました。
気づくと、もうひとりいませんでした。
どなたかが差し入れてくれたビールがあったのですが、
コレが逆効果でした。合わない上に、ゲップをすると致命的に臭いようで
脱落していきます。
しょっつるとかナンプラーっぽいって意見もあるので、
日本酒か焼酎が合うかもしれません。
この時点で、まだ、缶には半分近くのシュールストレミング。
不味すぎて食えないこともないし、かといって意外な美味しさもない中途半端さなので
まったく手をつけないか、完食かと思っていたのですが、中途半端さに少々腹立たしくなって
もう一切れ、いくことにしました!!
今度は卵をもった内臓部分をパンにのせ、
タマネギ、ジャガイモ、マヨネーズ、胡椒でいただきます。
最後の気力をふりしぼって、口に運びます。
マヨネーズ・・・・案外いいかも。
しかも卵の食感が心地良いので、味の不味さがゴマかされます。
この部位は塩が浸透しているし、そんなに臭くない。
でも、でもネ。食すスピードは落ち続けます。
不味いものを食べると、人間って疲れるんだなぁ。
そうそう、食に貪欲なのか、臭いものに抗体があるのか、
男性よりも女性のほうが、冷静に楽しくシュールストレミングを食しているのが
印象的でした。
「結構イケルねぇ~。」
・・・・女性って強い。
後日、ある参加者が言うのです。
「シュールって酸っぱいって意味があるそうなんですけど、
そんなに酸っぱくなかったから、もしかしたら醗酵が足りなかったのかもしれませんネェ。」
主催者
「そっっか~!!だから中途半端だったのかぁ~。いやネ、想像したたほどじゃなかったし
美味しくもなかったじゃない?もしかしたら、半年くらい置いて醗酵させれば
酸っぱくなって、すごく美味しくなるかもしれないねぇ!!やってみよう!
いやぁ~、なんだかモヤモヤしてたんだけど謎が解けたヨ。ありがとう。じゃぁ、またもう一回・・」
「もう!もう、勘弁してください(泣)。」私。
「じゃぁ~、次に臭いって言われてる韓国のホンオフェいってみようかぁ~。」
「・・・・。」
PR
この記事にコメントする