COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
手抜きの感覚がわからない。
彼女がフランスで暮らし、
本式の料理を学んだからというわけではない。
レンジでチンして終わり。
細粒をサラサラふってかき混ぜて終わり。
そういうものが悪いというのとも違う。
彼女の生きる手順のなかに、
そういうものが昔も今も存在しないだけなのだ。
現代には馴染めないな。
彼女は独りごちながら、
窓から漏れ入る夕焼けを溶かし入れた茜色のトマトソースを
コトコト煮込んでいる。
母が、手を抜かない人だっだ。
手間ひま惜しまず玉ねぎをじっくり炒めて
お醤油が隠し味の欧風カレーを作っていた。
飴色の玉ねぎも、茜色のトマトソースも、
美しい身体を完成させるための、腰のようなものだ。
抜くことのできない当然の手順。
どう作ったか得体の知れないふにゃふにゃの腰だと、
料理はスッと立ってはくれない。
一から筋を通して責任の所在をもった下ごしらえは、
美味しさにアルデンテな骨格を持たせる。
美味しい遺伝子が受け継がれるように、
母の手を見て育った彼女も、
下ごしらえで経ってゆく時間が、
自然と苦にならなくなっていた。
時折古い雨戸を、
誰かが訪ねて来たかの如くカタカタノックする音がする。
優しい夜風が潮の香りを運んで来るのだろう。
この家に泊まりに来て、怖がる人には
「別に悪いもんじゃないのよっ」
そう冗談めかして言うことにしている。
見守ってくれてるような、
そんな懐かしい気配が海風の匂いにはある。
キッチンの、
菜の花色の電灯の下にはまだ、
太陽がいい甘酸っぱさで
コトコト笑っている。
彼女の名は麻子。
洗いざらして陽にかざしたフレンチリネンのように
サラッとして腰が強い子にとの思いで両親がつけた名のように
混じりけのない正直な手料理を作る。
彼女と同じように手が抜けなくて、
でもどこか抜けている気の置けない主のいるキッチンに旅をして、
食べてくれる人の肩の力を抜く仕事。
旅する料理店「キッチン麻子」
それが今の、シェフ麻子の仕事だ。
青梅という山あいの町で、
海風を連れて1日限りのフルコース
「キッチン麻子」の幕が開く。
「キッチン麻子」
完全予約制
11月7日(土)
場所:ねじまき雲(陰)青梅店
昼の部 定員8名 12:00~
夜の部 定員8名 18;00~
*一組のご予約最大人数は4名様までです。
料金¥8000
麻子シェフによるフルコース
スープ
パン
メインディッシュ
パスタ
デザート(タルト)
キッチン麻子の珈琲担当による
食前珈琲
メインに合わせた珈琲
デザートに合わせたスペシャルブレンド
の三種の珈琲
予約者限定で追加予約
スペシャルスイーツセット(お持ち帰り用)
「アンパッケドカドー」¥1500
がご予約可能です。
プレーンフィナンシェを含む
今回のみのスペシャルな内容です。
カヌレや、普段買うことの出来ない麻子シェフ特製のシュトーレンも
セットになっております。
ご予約時にこちらをご購入希望の場合はお知らせください。
*珈琲以外の麻子シェフ特選ビオワインなどのドリンクは
その場で追加オーダーする事ができます。
こちらは別料金となります。
当日は棚で、スペシャルブレンド豆150g¥1200
の販売もございます。
☆本イベント「キッチン麻子」ご予約希望のお客様は、
当店が受付窓口になりますので、
当店営業時間内にお電話にてご予約を承らせていただきます。
抽出、サービス中はお電話をとることが出来ない場合もございますが
何卒ご了承ください。
営業時間外でのお問い合わせはお受けすることができません。
くれぐれもご注意ください。
また、ご来店されて口頭でも大丈夫です。
お名前、お電話番号、人数、ご希望の部、
アンパッケドカドーのご予約の有無
をお伝えください。
キャンセルはキャンセル料が発生いたしますので
熟考のうえ、ご予約のほどお願いいたします。
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