COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
独り娘が「海外で暮らす」などと突然言いだしたら、
普通は反対するのだろうか。
だがシェフ麻子の家は違った。
幼い頃から父の仕事がら、あるときは西欧、あるときはインド人と
国際色豊かな顔ぶれが食卓に集った。
「外を見なさい」
そういう環境で育ったせいか、
自然彼女の目は海の外に向いていった。
眠っていた味覚の蕾が急に開き始めたのは中学の頃。
「美味しいものを作るには本当に美味しいものを知らないと」
と母が長谷にある割烹「魚福」に
足しげく通わせてくれた。
牡蠣のすりながしに、河豚の白子あえ。
地魚のお造り、浅利の味噌汁や、芋がらの煮付け。
どれも素材本来の甘みや食感を最大限に引き出すための、
シンプルな引き算の調味。
理に敵った材料仕込みは盛り付けも美しく引き立てる。
だからこその、料理。
店と昵懇になると、
中年をとうに過ぎた大将が目尻に皺を寄せては嬉しそうに
旬のあれこれの楽しみようを、
嬉々とした女の子に教えてくれたものだ。
だからシェフ麻子には自信がある。
自分の舌で選ぶことに。
ブランドやコマーシャル、他人の評価に惑わされることなく、
美味しいを嗅ぎ当てる細胞が
鍛えられ備わっているからだ。
1997年、二十歳そこそこで、
ついに彼女は料理を学ぶためフランスへと渡った。
暮らしと飲食の香が色濃く街角へ詰まったパリの空気は、
すっと肌へ馴染んだ。
様々な国の友とフレンチやイタリアンを学んだ。
フランスにいる間、
彼女の才覚はまさに水を得た魚のように挫折知らずだった。
しかしずっとフランスにいるわけにはいかない。
ビザの制約があるのだ。
日本で力試しをしてみたい。
自分の腕のみでお金を稼ぎたいという思いもあった。
渡航五年後の2002年、希望を胸にした料理人は、
再び故郷の土を踏む。
料理はいつも彼女の味方だった。
彼女が魚なら、素材やそれを育むテロワールは水なのだ。
でも日本に帰ってきて、魚を取り巻く水が変わった。
日本の食材でフランスと同じように作っても、
その味にはならないのだ。
美味しく出来ない。
それでも当時の彼女には作り続けるしか、
出来ることがなかった。
地道な作業や待つ時間が、
あまり苦にならないタイプなのだ。
粉を練って無限とも思えるほど生地を千切って
耳たぶのようなオレキエッテを仕込んだり。
サラダにする透明な小アジを
永遠とも思える時間速やかに三枚におろし続けたり。
そんじょそこらの男より、根性もよほど座っている。
好きなことなら、
それでもなおと思える心が、徐々に風土の垣根を壊していった。
海から川へ上る鮭のように、
変わったのは、あるいは戻ったのは、
水ではなく彼女自身だったのかもしれない。
料理の楽しさやもてなしを教えてくれた、
今は無き割烹「魚福」。
パリ渡航前夜、
彼女の最後のリクエストは、
アジのにぎりだった。
あれから10数年、
回遊し続ける彼女は、
一期一会のリクエストに全力で応える
「キッチン麻子」のシェフになった。
「キッチン麻子」
完全予約制
11月7日(土)
場所:ねじまき雲(陰)青梅店
昼の部 定員8名 12:00~
夜の部 定員8名 18;00~
*一組のご予約最大人数は4名様までです。
料金¥8000
麻子シェフによるフルコース
スープ
パン
メインディッシュ(肉&魚)
パスタ
デザート(タルト)
キッチン麻子の珈琲担当による
食前珈琲
メインに合わせた珈琲
デザートに合わせたスペシャルブレンド
の三種の珈琲
予約者限定で追加予約
スペシャルスイーツセット(お持ち帰り用)
「アンパッケドカドー」¥1500
がご予約可能です。
プレーンフィナンシェを含む
今回のみのスペシャルな内容です。
カヌレや、普段買うことの出来ない麻子シェフ特製のシュトーレンも
セットになっております。
ご予約時にこちらをご購入希望の場合はお知らせください。
*珈琲以外の麻子シェフ特選ビオワインなどのドリンクは
その場で追加オーダーする事ができます。
こちらは別料金となります。
当日は棚で、スペシャルブレンド豆150g¥1200
の販売もございます。
☆本イベント「キッチン麻子」ご予約希望のお客様は、
当店が受付窓口になりますので、
当店営業時間内にお電話にてご予約を承らせていただきます。
抽出、サービス中はお電話をとることが出来ない場合もございますが
何卒ご了承ください。
営業時間外でのお問い合わせはお受けすることができません。
くれぐれもご注意ください。
また、ご来店されて口頭でも大丈夫です。
お名前、お電話番号、人数、ご希望の部、
アンパッケドカドーのご予約の有無
をお伝えください。
キャンセルはキャンセル料が発生いたしますので
熟考のうえ、ご予約のほどお願いいたします。
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