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自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
「僕は陶芸家じゃないですから。器屋です。」
と、その人は云います。
「陶芸家はさぁ、思った色出ないと割るんでしょうけど、
まぁ、僕のは
買う人がコッチの色もイイな、と思う人がいるかもしれないじゃない?
だから滅多に割らない(笑)。」
と、その人は云います。
「僕はそ~んなに器用じゃないですからネ。大きさがミンナ違うんですヨ。まぁだいたいで。」
と、その人は云います。
「あんまり頼まれて作るの得意じゃないんだよネ(苦笑)。」
と、その人は云います。
「器は飾るもんじゃなくて、使ってなんぼですから。僕のはチョット当たったくらいじゃ割れないように
丈夫に作ってありますから。」
と、その人は云います。
「僕の器の色は、僕が出そうと思って出してるわけじゃないんだよね。
青梅の土がサ、出してくれてるんです。
だから、僕は青梅でやってるわけ。」
と、その人は云います。
「どこにも名を入れなくてもネ、何十年もコレばっかり一応作ってますから。
まぁ、見れば僕のダナッって判るくらいにはなってると思うんですぅ。同じ手法はネ、皆やってますけど。」
とその人は云うのです。
その人は、器屋かもしれない。
でも、どんなプライド高い陶芸家よりも、
この人の人生そのものが、芸術家だと思うのです。
10年ほど前、若い会社員の私はこの人の名も知らず、この人の作った器に一目ぼれしました。
はじめて自分で買った器でした。その人の名だけは胸に刻んで。
そして今、青梅にやってきた珈琲屋の私は、この人の器に再び巡り会いました。
偶然は、必然なのかもしれません。
今はもっとも「ねじまき雲」で多い器になりました。
背負いかごにネギを挿して現れる、偉大で飾らない芸術家。
上泉秀人さん。
私も、肩肘はらない珈琲職人に
なりたいものです。
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