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COFFEE & GALLERY SALON " you " COFFEE ROASTER " in " 自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰) Since 2006
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だれかに      見てもらいたいから






                    咲くのではない。






咲きたいから            




              咲く









季節はずれの              透明。





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「エネルギーの民主主義」


坂本龍一氏のメッセージ。






さる某日、渋谷の街でおこなわれた






エネルギーシフトパレードに参加しました。







ただ、ただ、歩きました。



ただ、ただ、口にすること。







何もできないから何もしない。のではない。






口と、足があれば、訴えることは





できる  。





できないことから考えるのではなく、





何ができるのかを。





そんな時代に    シフトする    時代。





たまには、お店とまったく関係ないこと 言います。

小さいお子さんを持つ知り合いや、
妊娠されていたりする、ネジマキストの皆様にむけたものです。


通りすがりの方々は無視してくださって結構です。



私は以前、青森は六ヶ所村の核再処理工場の稼動を止める運動を
しておりました。
(この施設について概要はコチラhttp://www.sloth.gr.jp/top/stoprokkasyo.htm

羽村市のゆとろぎというホールで、数名の有志により自主開催された
「六ヶ所村ラプソディー」http://www.rokkasho-rhapsody.com/index2という映画には
鎌仲監督をお招きしてお話しをうかがい、約250名を動員し、署名活動も行いました。


しかし、今回の震災で福島原発の致命的な事故が起こりました。
なんとも無念でなりません。

そして、この青森の施設について、震災後あまり情報があがっていないのも
気がかりなところです。。。。


さて、ネットをはじめ、マスコミ、国からと、メディアを通じ
様々な情報が出回っています。

何を信じ、何を信じないかは、正直個々で判断せざるを得ないほどの
不確かなものばかりです。

政府の見解でも、食べてはダメだけど、健康に問題はない。だとか
規定の1800倍以上だけど、問題ない。だとか、
汚染されたけど、飲んでも大丈夫。だとか、
ハッキリしない矛盾した物言いが
続いています。

なんのための基準なのか、なんのためのダメ出しなのでしょう?
駄目なものはダメ。なのではないでしょうか?
合格点以下でも、受験校に入れるのであれば、受験生も苦労しません。
それに「微量である。」ものを多数摂れば、チリも積もればなんとやらです。
我々は、ほうれん草一点だけを定期的に食べる生き物ではないのですから。

被災地の避難区域に関しても、アメリカのほうが日本より迅速に的確な
80km圏内退避命令を下していました。
今になって、風向きを考慮しきれなかった日本の避難区域は後手後手に
回ってしまっています。


私の周りでさえも、特にお子さんを持つ知人たちが、続々と関西、九州方面に
避難しています。


逆に、最近は神経が磨り減りすぎて情報を集めることからさえも目を背け
「もう、楽しく過ごせりぁいいじゃん。」的な思考も蔓延しつつあるのではないでしょうか?
情報を知らないで楽しく過ごすのと、知ったうえで楽しく過ごすのでは
だいぶ意味合いが違ってきます。

ですので、見るも見ないも自由ですが、一応私の信頼のおける方々がもつ情報だけでも
お伝えしておこうと思ったのです。情報だけは沢山あったほうがそれにこしたことは
ありませんから。




私が親交のあるオーガニックバーのマスター、高坂氏のブログです。
http://ameblo.jp/smile-moonset/

彼は、15日の段階で現地作業員と連絡をとり、
原子炉破損の危険性を示唆していました。
一週間経って、やっと最近おおやけになった事実です。
彼はいち早く東京から子供たちと離れ、最近は被災地の救援に向かっています。
最新の情報やノウハウが手に入ります。
とても信頼できる方です。


私が珈琲生豆を送っていただいている会社の中村代表のブログです。
http://www.windfarm.co.jp/category/blog/blog_kaze

世界中を飛び回り、自然や食のために尽力されています。
チェルノブイリの被害実態調査にも行ったことのある
彼の集めた世界の原子力機関の情報によると、
日本の今回の事故の評価はチェルノブイリと同等クラスになる
恐れがあるそうです。
内部被爆について詳しく語られており、一見の価値ありです。
3月25日の記事によると
幼い子供のうける甲状腺ガン発症率は大人の100倍以上だそうです。



静岡の浜岡原発をはじめ、各地で原発反対の声が高まりつつあります。
実は事故について福島ばかり注目されがちではありますが、
関東近圏では重大な問題をかかえたままの「もんじゅ」があります。
現在も作業ミスで落っことしちゃった落し物は引き抜かれていないようです。
これもかなり深刻です。でもコチラは爆発したら日本だけではなく
周辺諸国もオシャカですので、いち早く復旧が望まれるところです。
ちなみに現状維持にだけでも億を越えるお金が投入されています。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110222/crm11022211260009-n1.htm
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%82%E3%82%93%E3%81%98%E3%82%85#.E9.81.8B.E8.BB.A2.E5.86.8D.E9.96.8B


全国原発マップ
http://www.green-act-saitama.org/genpatsu/genpatsu-map.htm



全国のガイガーカウンターによる放射線監視モニタ
http://pow-source.com/311/



でも、じゃあ、日本は原発なしにどーやって電気作ってくんだよ!
原子力の世話になってるくせにどーしようもないだろ!の問いに関しては
様々な方が自然エネルギーの活用を模索しています。
戦争、エネルギー、政治など各分野でNGO活動をされている田中優さんと
ミスチルなどを手がける小林武史さんの対談です。
かなり現実的に風力発電なども可能なことがわかります。
http://www.eco-reso.jp/feature/cat1593/20110319_4986.php
未来予想図は、数万年処理しきれない排泄物は無いほうがいいですよね?


水について、もし、事態が収束せずに回復が遅れるようであれば、
汲み置きして、放射性物質を沈殿させるほか、安全な水を飲用する
手段として以下のメーカーがそれぞれクリーンな水を販売されています。
健康にも留意したものなどがあり、ご自身にあったものを
選ばれると良いと思います。
雨や風は止んでも必ず降り、吹くものです。
一時的に数値が下がっても、微量なものを継続して摂りつづければ
結果は決してよくはありません。
ちなみにフィルターでも活性炭素を使用したものであれば多少の効果は
あるそうです。

オーケンウォーター
http://www.o-ken.com/


ワンウェイウォーター
http://onewaywater.jp/


アクアクララ
http://www.aqua-rokko.com/




また、毎年行われているアースデーは来月変らず
開催されるそうです。
居、食、住、のより良き指標が見つかるイベントです。
今年は、未来を見据える上でとくに注目すべきイベントだと思います。
http://www.earthday-tokyo.org/
私が豆を卸している駒沢のイタリアンカフェ「SMILE」さんも出店されます。
ですので、私の焙煎した珈琲も出してくださるそうです。
珈琲とイタリアンを味わいがてら、いろいろな問題のヒントを探してみては
いかがでしょうか?


そして、日本赤十字社のサイトです。
http://www.jrc.or.jp/index.html
義援金集めや、活動の記録詳細がPDFファイルでダウンロード出来ます。





最後に・・・・


私がここにあげた情報も、個人の志向ゆえに偏りがあるかもしれません。

自分の付き合いのある人たちの動きを見て、判断するところによると
公式発表される情報の3日から一週間は彼らの情報は早いです。
そして、そのどれもが楽観的ではなく気持ちの沈むものが多いです。

しかし、これからの世界は楽しく明るいものであるべきです。
そして今がそういう方向に世の中を変えられるチャンスなのかもしれません。

だとすると、そういう世界で長く生きて欲しい子供たちには、
ここはひとつ、見えざる敵の手の届かない所へ避難していて欲しいと思うのです。
要らないものは蓄積させないにこしたことはありません。


どうか、お腹に宿した命のあるかた、生れた小さな命を抱くかたは、
お子さんだけでも、できるだけ遠くの親戚にお預けくださることをオススメいたします。



そして、被災していない地の大人は、まずは被災地の方々が移動を完了するまで
パニックを起こさぬよう、自分の居場所で日々を楽しく生き抜いて欲しいと思うのです。



以上、お店と関係ないような関係あるお話しでした。



私、特にシキタリを重んじるわけではありませんが。

毎年、年賀状も進んで出しませんが。

今年は、おじいちゃんが亡くなりましたので、

年賀状は出しません。


今年の誕生日はおじいちゃんのお陰で生まれ故郷、北海道で
過ごすことが出来ました。

帰ってきたら東京は雪でした。なんだかもう遠い記憶のようです。


おじいちゃんは、生前の意志により散骨され、北の海となりました。


自然分解されるビニール袋が着水前に破け、白い弧を描き海に散ったそうです。

「わぁ~、くじらがいる。」

と同船していた人が言ったそうです。

死んでくじらになれるなら、私もくじらになって旅をしてみたいものです。


ユニークな房総の旅から帰った我々は一夜明け
実家の近くの林に、木の実拾いで憂さ晴らしに分け入った。

なんと!!そこはキノコの楽園であった。

このところの恵みの雨の賜物である。我々にはさんざんな雨でしたが。。


てことで、旅のおわりの収穫をココに。


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町田キノコ王国。


あまりにテンションのあがったくるぶし、


フィルム写真を撮るのに夢中で

40箇所、蚊にさされる。


数えたくるぶしにうながされ、

デジカメのネジ、

25箇所 さされたこと判明。






グツグツ コトコト カタカタ トントン


ゆうげの香り。



トポトポ チンチン ガラガラ コクコク


コーヒーの香り。



    笑顔と  人を  育てる 時間が満ちている。


そんなキッチンが     好きだから、


ステキなキッチンに   ステキな人と人とを 


紡ぎ逢わせたいと  思うのです。



人付き合いの苦手な私だからこそ できることがあるかもしれないから。


できるうちに  できることを。。。。



出逢いの海で 胸の奥が 満たされることを願って・・・・   。




琴似駅。 


 北海道の電車。  雪国だから、無骨な顔。





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北海道を発つ日、 吹雪だった。 


飛行機が遅れた。




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東京 青梅。


帰った先は、    吹雪だった。



コッチのほうが、よっぽど寒い。



夜中3時、 くるぶしがジャケットを着こんで帽子をかぶった。


「ほら!なにやってるの、作るよ!!」


「なにやってるのって・・・・そっちがでしょ??」


「雪だるま。」



「雪だるまぁ?」



真夜中3時半、いい大人が雪だるまを作る。

作らされたんだけどネ。      20年ぶりくらいだ。腕はなまってないみたい。





くるぶしも、チマチマ素手で雪をこねて、なんか作ってる。

ちっちゃな雪だるまを いっぱい作ってるんだと 思った。



「いや、違うよ。   賽の河原の 小石。


雪だるまだったらこんなに作らないって  むしろ(笑)。 」




「・・・・。    むしろ(苦笑)?」  




 この人の考えることは     よくわからない。



少し前、常連さんが


「ウチにフォー食べに来ない?ベトナム行ったことはないんだけど
本場の味(笑)。」


と言うので、来るもの拒まず腹におさめる私は、フォーをご馳走になりに行ったのでした。


色鮮やかにして、さっぱりとして香り豊か。
出汁もしっかり出てて絶品!ベトナム料理屋さん開けます。

しかし、わざわざ米つぶを麺にしてまで食おうだんて、アジア人って米好きなんだなぁと思います。



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これは、トロッとした食感のヘルシー焼き春巻き。
生春巻きの皮は、焼くとお煎餅みたいに香ばしい。






ごはん時の話題は、


「パクチーはカメムシの臭いがする。」


カメムシカメムシ言われながらも、あまりの美味さにおかわりを頂く。
はぁ~、幸せいっぱい腹いっぺんぽい。


後日、電話が。

「ネジさん、お腹大丈夫?なんか僕ら、くだっちゃってて・・・・心配になっちゃったもんだから。」

「エッ?私はまったく平気ですよっ?」


原因は不明ですが・・・・・


思うに、    


カメムシの   祟りだと   



思うのです(怖)。









過日  しゃものたまごをいただいたので



たまごかけごはん。



シンプル イズ ザ ベスト。


だから、    ちょっとだけ  ふだんより  いい器に



      盛ってみる。



白いごはんに  たまごと  おしょうゆ。



それだけ  が  贅沢な食卓も  あるのです。




軍鶏ってゆーくらいだから、さぞかしドギツイねちっこい黄身かと思ったら


意外とキレイなレモンイエロー。



味も 一瞬淡白だけど、後味がしっかりと甘く残る。

生まれたときから、気性が荒いってわけじゃないんだネ。

でも、 淡白なのに、印象に残り続けるヤツって


案外 いない。


そういうものに  なりたいもんです。



よく 


 「トトロっぽいですね。」


と  言われます。


もはや、 


  似てる対象が 人間ではありません・・・・。  




自分的にはネ、
トトロよりも「パンダコパンダ」の、おとーさんパンダに似てるナァと
思ってたんですけどね。


ちなみに「パンダコパンダ」  宮崎アニメの原点といわれる

宮崎駿氏 原案・脚本の 昔のアニメです。機会がありましたらカワイイので観てみてくださいませ。


あっ!  どっちにしても 人間ぢゃない かぁ~・・・・・。





アリは 


来る日も来る日も たべものをあつめ

さむい冬にそなえるため    汗をカキカキ はたらきました。


キリギリスは そんなアリたちを横目に

日がないちにち ギターをヒキヒキ 歌をうたい すごすのでした。




 一年じゅう ギターをひきつづけ 歌をうたいましたので


    ゆびは豆だらけ 声はガラガラ


雪がシンシンとつもるころには    たべるものさえありません。


ギターと歌のおかげで あかるい心もちで おしごとができたアリたちは

キリギリスを 冬のあいだ 

あたたかいお家によんで

おれいに ごはんをたらふく おすそわけ。


声が かれれば 

キリギリスは はねを広げてじょうずなオドリだってできるのです。

アリの子たちは 

キャッキャキャラキャラおおよろこび。



冬は   こうして    たのしく   春へと    むかうのでした。




見方を変えれば ハッピーエンドは 訪れる 。

得意なことや好きなこと  みとめあえれば  イイヨネ。





ねじまき雲   新春まで   しばし 冬眠いたします 。
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マンションの   クリーム色の扉の向こうには    魔法使いが住んでいる。




バニラのしっぽを少々と



火喰い鳥の 黄金卵に火をつけて



ユニコーンの  真っ白ミルクくわえましょ。





空とぶミキサー



ゴムベらステッキ



ひとふりしたなら、   



「レ~ナクマア」と呪文を唱えて


タタンポイポイ出来上がり。






渡部いずみさんのお菓子教室「atelier mel」にお邪魔してきました。



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今回は、 バニラアイスの作り方。

とろけるレースの口解け 幸せバニラ全開です。









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チキンジンジャーカレーも


魔法のスパイス使いで、   長靴いっぱい食べたいヨ。




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フクシンヅケだけがカレーの付け合せってわけじゃない


ココナッツとブロッコリーの コリコリスッパイ爽やかピクルス。








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卵白で作るラングドシャ



ラングドシャって、猫の舌って意味なんだって。
フランス人ってば 可っ笑しいの。







見習い魔法使いたち。

巧くゴムベラステッキ使えるようになるかしら?









川って     虹のとおり道 


なのかもネ。




深く這うミドリに、  走りさるトウメイな青。

金色ウロコで    夕やけオレンジ染めあげる。



まるで   

ゴッホの『星月夜』のよに

力いっぱいの  

色の速さで ぐるぐると。


モネの『睡蓮』みたいに

風の静寂     写し描く。


色を含んで  吐き出すように 流れてく。



こんなに川を見つめたことって無かったナ。





釣り          はじめました。


はじめはネ、食費を浮かそうかってネ。

食べ物が浮いてるのを、見過ごす手はないって思ったんですケド。


一日中釣れなくったって、


竿を振って川とおしゃべりしてれば、

腹が減るのも 忘れるかもデス。



クーラーのきいた部屋で、コーヒーに読書もイイですが、

川を読みながら、水筒におしこめたアイスコーヒーを

グビッていくのも、

夏と戯れるには    イイものです。



冷し中華 はじめました。・・・・じゃなかった(汗)


釣り     はじめました。



たとえ 


低い塀だとしても

心が 越えられない   と思えば 


何より高い壁になる。


越えることを目的にするよか

越えた向こうの世界に  想いを馳せれば 


きっと壊せる壁がある

 かもネ。


青梅にゃにゃ曲がり道に、ネジマキストの作ったネコがいます。

探してみてください。





セミの音 ま白にいだかれて

まどろむネコと 陽光すいこむコーヒーノキ



コーヒーの木、だいぶん大きくなりました。
3年ものと2年もの。

いまだ実は出来ていません。


育てて、何かを得る。 ということは一日にしては成らず。ですネ。



もしかしたら、私と同じ世代に多いのかもしれないです。



でもね、残された

こどもは

どうなるの?


同じ染まるなら、

コーヒーに染まればイイ。


と、思うのです。




「ネムとクロ」

 

 

 

 クロは死んだ。

 

 

 

 

車に轢かれて死んだ。

 

クロは筋骨隆々とした、たくましいオスの黒猫だった。

 

昔住んでいたアパートの庭。よく赤い首輪の黒猫が遊びに来ていた。

 

真っ赤なミニトマトの向こうから、石像のようにピタッと止まっては、

薄黄色の大きな目で、コチラをうかがっていた。

 

部屋の中のネムも、彼が来ると同じようにピタッと止まって、

 

耳をアンテナのようにピンと張り、

ミンミンとセミの鳴く中しばらく静寂のにらみ合いが続くのだった。

 

黒猫はだんだん大胆になり、
のっしのし縁側の網戸ごしまで近づいて来るようになった。

 

網戸というバリアがある限り、
ネムは余裕の表情で相手の匂いをクンクンやっているのだが、
意地悪な私は、網戸をガラっと開けてやるのだ。

 

黒猫が我が家よろしく入って来ると彼女はもう大パニック。

 


ひとしきり部屋をバタバタ飛びまわると、

「シャーッシャー、ウ~ッ」と威嚇の声をあげながらソロリ黒猫に近づいていく。

この時点でもう耳がピタリと後ろに寝ているので、戦わずしてネムの負けである。

ネムは赤ちゃん猫の時もらって来て以来、外に出したことの無い、箱入り内弁慶娘。

物心?ついてから他の猫と触れ合ったことなど無いのだ。

 

黒猫は、その内、当然のように遊びに来ては、「中に入れろ」と

 

網戸をワシャワシャ「ニャーニャー」。のそりと入りこんでは、彼女の

エサをバリボリと食べるようになった。かわいそうなネム。

 

彼女もときどき堪忍袋の緒がきれて、自分のエサを食む黒猫に向かって

 

のろのろネムパンチを繰り出すのだが、

5倍速のクロパンチが彼女の鼻面にヒットするのがオチだった。

 

黒猫は私にも擦り寄って慣れるようになった。

 

オスだけあってゴツゴツしてザラッとした固い体毛。

 

近くでよく観察すると、黒いと思っていた毛はやや焦げ茶が混じり、

 

舌は真っ赤にチロチロとしている。

薄黄色の目は、瞳の周辺にエメラルドグリーンの網が走っている。

「わぁ、ターコイズみたい。」と思った。

家の中で黒目がまんまるになると、顔つきはネムにソックリだ。

 

エサ争奪戦以外では、ネムと黒猫はだいぶん仲良くなってきた。

 

おしりの匂いを嗅ぎあったりしているが、依然として上下関係は黒猫優位のようだ。

 

ある日、家賃を納めに大家の家に行くと、大きな庭に赤い首輪の黒猫がいた。

 


 

「あれっ?あの子、家の庭によく来る子だ。」

 


 

「あぁ、クロね。あなたのトコの猫ちゃんと兄弟なのよ。

 

ホラ、何匹かいたけど余っちゃったからウチで飼ってるの。

そう、どうりで最近散歩が遅いと思ったらお宅にお邪魔してたのねぇ。」


 

ネムはこの大家に紹介されて、もらった子猫だった。

 

その時、一番活きのいいのをもらってきたのだが、

鼻水を垂らして弱弱しく「ミーミー」鳴く黒猫がいた。

宮崎アニメの影響もあって黒猫がほしかったのだが、

すぐ死んじゃうと嫌だから辞めたのだ。

 

こんな立派になるんだったらクロをもらえば良かったなぁと

 

ウチのキジ猫に失礼なことを思いながらも、

まぁ、遊びに来てくれるんだからキジもクロも楽しめて嬉しいナ。

と人間様の身勝手な傲慢さに、我ながら罪悪感。

 

それからしばらく夏のあいだ、クロは頻繁に家に姿を見せるようになった。

 

まったく警戒心のないクロはいつも威風堂々として

「ご機嫌いかが?」と黒服紳士のように美しい。

 

人の足に体重を乗せて体当たりしては、ゴロンとひっくり返って腹を見せ

 

ウネウネと変テコな挨拶をする。

 

ネムも同類との触れ合いで、少しは猫社会のルールや

 

外の出来事を知ってくれるといいナ、と思う。


「あそこのブロック塀は一回壁を蹴らなきゃ登れないにゃ。」

「あの隙間の椿の枝はスリスリすると気持ちいけど、
トゲがあるから気をつけるにゃ。」

「白猫曜日の月の晩には家の庭で集会があるにゃ。」


とか言っているのかしらん。

 

秋口にさしかかり、庭のミニトマトはすっかり無くなり、

 

トクサばかりが青々と目立つようになると、クロは突然姿を見せなくなった。


ネムにとっては平穏な日々が帰ってきたように思われるが、

時々、誰もいない庭に向かって「ニャッ」と滅多にあげない声を寂しげに出している。

ジャイアンみたいな兄弟でも、遊びに来ないと物足りないのかな?

 

気まぐれな猫のこと、お散歩ルートを変更したのかもと

 

さして気にも留めていなかったのだが、クロが現れなくなって2週間ばかりして

家賃を納めに行くと、クロが亡くなったことを知った。


 

「クロ、最近姿を見ませんねぇ。」

 


 

「あの子、死んじゃったのヨ。連雀通りで車に轢かれてね。

 

朝、道端で冷たくなったのを見つけた人がいて・・・・。」


 

家の前には大きな車道が走っている。

 

堂々としたクロは、堂々と車に跳ねられてしまったに違いない。

 

 

 

ネムはクロが死んだことを知っていたのかもしれないな、と思う。

 

それか、死んだ後もクロは、家の庭に遊びに来てくれていたのかもしれない。

 

 

 

それから5年、すっかり猫らしさを無くした

 

でぶっちょぐうたら猫のネム。

 

今は電話台の上、受話器をはずしたり、おなかの肉をはみ出しながら

 

ダランとしっぽを伸ばして寝ることが彼女の日課だ。

 

 

 

時々、ネムが私の足に体当たりして、ひっくり返って

 

ウネウネするたび、クロを思い出す。

 

ふわふわ漂う紋黄蝶を、一心不乱に追いかけるクロの姿は

 

まだ鮮やかに私の記憶の中にある。

 

ネムとクロ。どちらが幸せな人生なのか私にはわからない。

 

 

彼女の記憶の中にクロは生きているのだろうか?

 




 

 

 

 

 

おわり

 






器もネ、手作り。手が込んでます。


ひろい土間の床はひんやり気持ちいい。


やはり土の床は匂いもいいなぁ。



そうそう、「空cafe」さんの近くには私有地として「ビッキ沼」という沼があります。
モリアオガエルの棲息や、自然観察ができるようで、
空cafeさんのオーナーさんが管理しているようです。

ビッキはカエルのこと。

店内にもいっぱいカエルグッズが置いてありました。

このカフェは、代々続くカエル守りのカフェなんですネ。

私有地化することで、守るべき環境を、守れる環境へ変え、人々へ伝えていく。

カフェと、生活と、教育と、森の意志が共存するカフェのひとつのカタチ。





やっぱりなんでも自家製一番。


ベリーのジュースがさわやかです。






アイスコーヒー


キリリとハートを冷やしてくれます。

疲れたからだに染みるなぁ~。
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