COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
青梅、だから「梅」。
まちがってないけど、すこし違う。
もともとその名の由来は悲しい平家の、怨みにも似た想いから。
青梅には青いまま落ちる梅があるのです。金剛寺というお寺にある「誓いの梅」。
志しなかばにして果てた将門の想い。
だから、梅がおいしいから名産品になったわけぢゃないんです。
むしろ土壌としては良い梅の実は出来にくいそうです。
青梅の農作物としては生産高5位。
もちろん梅の里「吉野梅郷」はキレイな梅の花が楽しめます。
そうそう、今は紅梅が見ごろです。
例年はもっと開花は遅いのだそうですが
暖かさで少し、早まりそうです。
まだすべての梅の満開は先になりそうですが。
今月末から、梅まつりがはじまります。
ならば、何が美味しい特産物なのでしょうか?
常連さんたちに、聞いた結果
それは「のらぼう」。
「野良坊」とも書くその詳しい由来はわかりません。
ずっと待ち焦がれた「のらぼう」を
やっと先日手にいれました。
生で噛んでみる。
若草の柔らかさからにじみ出る草っぽい苦みと甘さが舌にのる。
きっと生では好き嫌いがありそうです。アクも強そうです。
湯がいてみる。
太い茎も意外と簡単に火がとおる。
スッキリとみずみずしく甘く、少し粘り気を感じるけどクセがまったくなく美味。
一番旨いのはサッと醤油を垂らしてシンプルに。
炒めてみる。
やはり甘く水分がやや多いですが、クセがないのでバターやスパイスと良く合うようです。
日向和田、国産小麦のもっちりパン屋さん「フラワー」のフランスパンと
河辺の「KIVA」で手に入れた有機サラダ菜と有機白かぶ、無農薬トマトに
炒めたのらぼうをのせる。
同じく有機オリーブオイルと有機バジルトマトソースでつくったソースを
合わせ
福生、「大多摩ハム」のベーコンをトッピング。
青梅多摩の特産セットの完成です。
特産品は、おいしく健康。これが一番。
問題は、原価が高い、とゆーことだけですナ。
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逗子に行った日のつづき
「coya」さんでカフェタイムを長く取りすぎたため
気付くと夕暮れ色に海は染まっていたのでした。
「もうあと一件くらいしか逗子探訪はできないな」
冬の夕日は思ったより早く地平の彼方へ消えたので
夜が、すぐやってくると思ったのです。
国道沿いに伸びる果てしないトンネルの
狭い歩道を、排気ガスにまみれて歩く。
葉山へ
丁度逗子に行く前日に、陶芸をやる常連さんに
「とっても良いギャラリーがありますから行ってみてください」
と言われていたので。
本当にこのトンネルを抜けた先にソレがあるのかどうか?
あまりのトンネルの長さと、偏光フィルターごしのよなオレンジの
風景に、不安でココロがしわくちゃになる。
トンネルを抜けるとそこは夜。
でも、その暗闇に引き寄せられるような明かりの
まさしくそれは「箱」がたたずんでいたのです。
「haco」
ここもまた同じ匂いがする。きっと同じ類のヒトがいる。
感覚はリンクするもので、この種の人間は互いに引き合う力を持っているのでしょう。
中にお邪魔するとコーヒーの香。
そしてまるで自分のお店のよなインテリアに、クセのある小物配置。
二階建ての中古民家を、白を基調に手作り改装している。
あっ、この置物「coya」さんにもあったなぁ、とギャラリー内を物色していると・・・・おやっ!?
遠く離れた東京の、お世話になってるカフェにある作家ものの本や、
そのカフェのように、ポストカードを壁にクセのある貼り方をしている。
なんと細かな梱包の仕方やショップのロゴハンコまでもがそっくり。
思い切ってオーナーさんに聞いてみる。
「あぁ、(笑)実は石垣島にいる兄さんがその店のオーナーさんと島で知り合いだったことがありまして
私自身はまったく知らなかったんですが、似た企画とかするお店が東京にあるなぁと思ってたら
同一人物だったんですよね~。それ以来のお付き合いなんです。」
なんと!!この種の人間の磁力は恐ろしいものがあるなぁ・・・・。
でも、梱包の仕方まで同じとは知らなかったと「haco」さんは驚いておりました。
その東京経堂にあるカリスマショップ、もっとも強い磁力をもつオーナーさんのお店は
「ロバロバカフェ」
同じ匂いのするお店でこの名を聞かないことはないほど。
そのたびにそのアクティブさとフットワークの軽さに脱帽してしまう。
「coya」さんのメニュー内容や、インテリア、知らずに被ってる部分が多かった。
「haco」さんの、見せ方もまたしかり。
そして「ロバロバカフェ」さんという大きなマスト。
とても刺激になった一日でした。
「自分だけが」と思ってみても、すでに誰かがやっている。
とかくオンリーワンになるのは難しいもんですなぁ~。
ウチでは豆売りもしているのです。限りなくコッソリと・・・・。
なぜコッソリ?
それは、生豆のコストが高く、なおかつ手間ひまかけてるので
単価が高くなっちゃうんです。
それに高いわりにその個性的な味を引き出す抽出が難しいため
たぶん値段に見合った味がご家庭で味わえなくて
もしかしたらマズイとさえ感じられてしまうのではないか?
自分の豆選びと焙煎を本当にわかってくれる珈琲屋さんにだったらお売りしたい。
そんな臆病な思いと妙なプライドみたいなものから豆売りには
消極的になっていたのでした。
(だったら、万人が淹れて美味しい珈琲を創るのがホントのプロだろう!!
それにそんなことでは商売として成り立ん!!・・・・と言われちゃいそうですが。笑)
なんて思ってたらバレンタインにウチで豆を買ってくれた一般のお客様が
昨日また来て同じ豆を注文してくださったのです。
あれっ?こないだ買ってったばっかりなのになぁ?
と思っていると
「こないだの、あげた方もとっても喜んでくれてまた欲しいって!
私も自分用に買ったの会社に持っていったら
皆が、何?このいい香り!?これコーヒーなの!?って大人気で
私が飲む前に無くなっちゃったのよ~。」
なんと嬉しいことでしょう。
自分の手を離れたところで
まったく知らない誰かが
ウチのコーヒーを飲んで感動してくれている。
別にカップに注がれた「ねじまき雲」の味ぢゃなくても
十分誰かを喜ばせることができるのだな、と
少し、いや、だいぶ嬉しくなりました。
万人が美味しいと思うモノヅクリは難しくても
どこかで、ほんの少しでも誰かが喜んで、驚いてくれる。
そんな珈琲豆を産み出していきたい。
そう思った小雨まじりの夕方。
グァテマラ・ドンアントニオ農園が
ふた袋、私が知らない誰かを喜ばせるため
机の上に引き取られるのを
待っているのです。
「ねじまき雲」に置かせていただいている冊子「LE VOIX DU VENT」の産まれた場所
逗子の根元きこさんのお店「coya」さんへ初めて行ってきました。
ひっきりなしにココを目指してきたとおぼしきお客さまが列をなす。
とても混雑していましたが
誰もが文句ひとつ言わず「待つ」ことをも楽しんでいる様子。
スタッフも急ぐことなくひとつひとつ丁寧に仕事をこなしているのです。
これがあるべき「カフェ」の姿、「食」の形だなぁと再確認しました。
おいしいものはすぐには出来ない。
もし、おいしいものが注文してパッと出てきたら、少し怪しんでみてもいいんぢゃないでしょーか?
いつの間にか時代がスタンダードを入れ替えたんでしょうね、きっと。
現代人は時間に追われてるから仕方ない面もありますが。
おいしいコーヒーも
エスプレッソマシンでも無い限り、時間がかかるのです。
時間を楽しめる人が世の中にもっと増えるとイイノニナッ。
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