COFFEE & GALLERY SALON " you "
COFFEE ROASTER " in "
自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰)
Since 2006
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3月、ビックサイトへ。
「ホテレスショー」と「ジャパンバリスタチャンピオンシップ」を見学に行きました。
去年より見どころが少なく、焙煎機屋さんもいないし、
エスプレッソマシンもあまり出ていなく、コーヒー関連が薄い気がしました。
とりあえず、むしゃむしゃ試食を楽しむ。
「かもめ食堂」ブームでシナモンロールを出してるトコがやたらと目立つ。
シナモンロールをほおばりながら、
チンバリで淹れてもらったラテアートを飲み干す。
タダって嬉しいネッ♪
とくに目新しいものがないので
本日のメイン
ジャパンバリスタチャンピオンシップの会場へさっさと向かう。
去年より圧倒的に観客数が多い。
しかも途中退場する人も少ないので
最初から最後まで立ち見・・・・足が痺れる。
エコノミック症候群になるかと思いました。
今年も司会は超有名バリスタ
「バール・デルソーレ」の横山氏。
いい意味で、なんかエロイ。エロカッコイイオジさまです。
「ロッソ」の門脇さんは今年は出ないようです。
残念。
テーブルセッティングから各オペレーション、クリーンネスにいたるまで
審査されます。
15分の持ち時間の中で
エスプレッソ
カプチーノ
シグネチャー
の3種を4セット仕上げます。
私なんか一杯淹れるのに15分くらいかかるのに・・・・
やっぱマシンは凄いなぁ~、というかこの人たちが特別なのでしょうけどね。
しゃべりで自己アピールや、作業工程の説明をしながら
手早くマシンを操る姿は、皆バリスタの誇りと仕事への熱い想いを感じます。
シグネチャーはノンアルコールなので
各選手、趣向を凝らしたオリジナルカクテル風アレンジを披露してくれるのです。
ナッツを使ったり、冷やしたり、きっと何度も何度も考え抜いて
出してきてるんでしょうねぇ。
血と汗の結晶を口にできる審査員の方々がうらやましいです。
「ロッソ」の門脇さんが出場しないかわりに
弟さんの「Caffe Vita」の門脇さんが出てました。
コーヒーの申し子的お二人なのですが
弟さんも流石、そつなく完璧に仕事をこなしていきます。
環境とDNAが育むんでしょうねぇ~こういう人って。
大会終わってみると、
なんと優勝は「カフェラ大丸神戸」宮前みゆきさんという女の子。
準優勝も「ゾッカ」斉藤久美子さんという女の子。
なんて書くと女性に失礼ですかね(笑)?
でも、なんか職人的世界って
男性のほうが凝るから、向いてるかなっって思ってたんですけどね。
普段料理作らない男がカレー作り出すと
とことんこだわる、みたいなトコありますしネ。
ただ、今回気付いたことは
男性は自分の腕に溺れ易く、技術や目先の造形物ばかりにこだわって
肝心のサービスや、お客さんへの思いやりを忘れてしまいがちになる
ということです。
それは抽出したモノ以上に重要なことです。
今回はレベル的には皆拮抗していて甲乙つけがたかったと思います。
しかし女性たちのプレゼン力は素晴らしかったと思います。
「なぜ、自分はコーヒーを淹れるのか、誰のために?」が
よく表れていました。
「マリアージュ」結婚を題材に全てを提供した選手のなんて
オトーサン見てたら涙しちゃうよねっ。みたいに実に状況を想定し物を作るのが上手い。
自分が働くお店のスタッフへの愛情も言葉の端々に込められていたりで
あんなの聞いたら、焙煎士も泣いちゃうね。
作業もひとひとつが丁寧で、ナルシストな感じを受けません。
バリスタとは
コーヒーマシンを操れる人だけにあらず。
総合サービスを提供するプロフェッショナルなのです。
技術は練習すれば、向上するし、味が良いのはあくまで前提なのです。
我々、対お客さまの仕事をしているものが
忘れてはいけない「サービス」というものを
彼女たちに気付かされた気がしました。
これからは女性的感性が必要な時代なんだなぁ~と思う一日でした。
しかし、大会で使われているエスプレッソマシンの「ラマゾッコ」かっこいいなぁ~欲しいな~。
男子の、こういう「こだわり」がいけないんですネ(笑)
写真はウチで行われた「 くりた かよ 」さんの個展「Subtle」より
連動した浮遊システムで、自分の気持ちのアップダウンを相手に伝えるための装置
気分管。
ウチでは豆売りもしているのです。限りなくコッソリと・・・・。
なぜコッソリ?
それは、生豆のコストが高く、なおかつ手間ひまかけてるので
単価が高くなっちゃうんです。
それに高いわりにその個性的な味を引き出す抽出が難しいため
たぶん値段に見合った味がご家庭で味わえなくて
もしかしたらマズイとさえ感じられてしまうのではないか?
自分の豆選びと焙煎を本当にわかってくれる珈琲屋さんにだったらお売りしたい。
そんな臆病な思いと妙なプライドみたいなものから豆売りには
消極的になっていたのでした。
(だったら、万人が淹れて美味しい珈琲を創るのがホントのプロだろう!!
それにそんなことでは商売として成り立ん!!・・・・と言われちゃいそうですが。笑)
なんて思ってたらバレンタインにウチで豆を買ってくれた一般のお客様が
昨日また来て同じ豆を注文してくださったのです。
あれっ?こないだ買ってったばっかりなのになぁ?
と思っていると
「こないだの、あげた方もとっても喜んでくれてまた欲しいって!
私も自分用に買ったの会社に持っていったら
皆が、何?このいい香り!?これコーヒーなの!?って大人気で
私が飲む前に無くなっちゃったのよ~。」
なんと嬉しいことでしょう。
自分の手を離れたところで
まったく知らない誰かが
ウチのコーヒーを飲んで感動してくれている。
別にカップに注がれた「ねじまき雲」の味ぢゃなくても
十分誰かを喜ばせることができるのだな、と
少し、いや、だいぶ嬉しくなりました。
万人が美味しいと思うモノヅクリは難しくても
どこかで、ほんの少しでも誰かが喜んで、驚いてくれる。
そんな珈琲豆を産み出していきたい。
そう思った小雨まじりの夕方。
グァテマラ・ドンアントニオ農園が
ふた袋、私が知らない誰かを喜ばせるため
机の上に引き取られるのを
待っているのです。