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COFFEE & GALLERY SALON " you " COFFEE ROASTER " in " 自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰) Since 2006
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そのもので美しい白。



 

そまり美しい白。



 

ひるぎの赤。





クールの赤。




18日で真木テキスタイルスタジオhttp://www.itoito.jp/出張珈琲が終わった。

期間中、主宰、真木千秋氏が、庭で染め物のデモンストレーションを行ってくださった。

クール(紅露)というそめものいもの汁を、炭で焚いた大きな鍋で煮て
白銀に光を反射する美しい繊維を幾度もくぐらせる。

糸は徐々に赤みを増していく。

同じクールの赤でも段階でだいぶん印象が変わる。

色を留める媒染材料によっても、メタルな光沢を得たり、
いも自体の持つ自然な赤に近づいたりと、発色は変わるそうだ。

真木千秋氏の頭の中にはどう色を導くか、否、その色になるのが自然であり
自分と一体となる色なのかのビジョンがすでに描かれているようだ。
その予期する部分と予期できない部分をわくわくと楽しんでいる。
そして、あぁここだな。と思えるところで糸を鍋から引き揚げ
灰に漬け色を留めた。

作るという人間のエゴと、作らせて頂くという自然への感謝、
繰り返す作業の中で黙々と何かを必死に考えているようであって
そこらじゅうとひとつになって、人間の意識さえないようにも見える瞬間がある。
総てと寄り添い一体になろうとする人智を超えた意識的感覚的モノづくりの姿があった。

媒染と焙煎。

字づらこそ違えど、その作業姿勢は私のそれととても似ていた。

ただし、私も焙煎の最中意識が飛ぶことがあるが、その瞬間誰かに話しかけられると
意識を急に引き戻され我に返り大失敗し、珈琲を台無しにすることが多い。
いまだに抽出よりも焙煎の方が不測の事態に鍛えられておらず未熟だ。

真木千秋氏はよりナチュラルに意識を集中と発散とに分けられているので
話しかけられても動じることはなかった。
まるで数十年焙煎しつづけている老舗の珈琲屋のようだ。

染まった赤は、真木テキスタイルの重厚な赤であり、いもの渋い赤であり、
そこらじゅうの輝く赤だった。


この時、貴重にもこの染め作業をお手伝いできた女の子がいた。
彼女はテキスタイルを学ぶ学生で、ねじまき雲国分寺店の常連さんTちゃんである。
今回人手が足りず、毎度お馴染みだった臨時ねじまき雲スタッフ青梅店常連Mさんに代わり
新たにお手伝いをお願いした。

真木さんの代わりに黙々と糸を鍋に浸すTちゃんの頬は、初々しい一生懸命な薄紅色に染まり
留めたクールの糸は、彼女の頬のような鮮やかな赤だった。

彼女はこれからどう布と、人生と向かい合っていくのだろう。

そうそう、Tちゃんは「雲」の文字の入る屋号を持って活動している。


これぞ、完成、ネジ 真木 雲 。


作業が終わると、秋色の夕陽がこげ茶色の母屋を明るく染め上げていた。






寒い中お越しくださった皆様、ありがとうございました。
次回は真木テキスタイルスタジオ年始恒例ハギレ市でお会いいたしましょう。
お手伝いのT雲ちゃんも、ありがとうございました。




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