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COFFEE & GALLERY SALON " you " COFFEE ROASTER " in " 自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰) Since 2006
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前回ブログからの続き。

久々野の遺跡を後にした我々は、高山市街地に向け
国道41号線をひた走る。

右手側には翡翠のように綺麗な川が流れている。

最初の1kは緩やかな登りが続き地味にきついが
あとは平坦な道が続く。高山までは十数kmの道程だ。

ここから先は写真を撮る余裕はほぼ無くなるので
久々に、僭越ながら私のイラストでご説明しよう。


 
14時頃であろうか。
まだこの頃は平静を保っている。

難なく高山市街地に到着。
急に人が増えるが、歩いている人の7割がたは海外の観光客であろう。





お団子を大変楽しみにしていたようで、お目当ての団子を食しご満悦である。
我々が買うと、ワラワラと人が集まり買い始める。
集団の不安や好奇心。人心とは斯様なものである。

この旅の大きな目的のひとつはこの高山市街地に住まう
ある御仁にお会いすること。

その人物とは、前回出張珈琲で高山に来た際お世話になった
卸し先の「SOY」さんがご紹介くださった
縄文ハートな高山人
Sさん。
蜂蜜を珈琲に使いたくて日本ミツバチの蜜を集めているSさんのもとを
SOYのご主人にお連れいただき訪ねたのが始まりである。

その時はテンガロンハットを被って
チェアに深々と身体を沈めて足を伸ばし、くつろいでおいでだった。

「Sさん、こんにちは~。東京から有名な珈琲屋さんが来てるんだけど
ちょっと、蜂蜜分けて欲しいなぁ~って。今あるかな?」

「いやっ、有名じゃないですけど、マニアックなことで有名なだけです」
と恐縮する私。

「・・・・」

一呼吸おいて、おもむろに席から腰をあげると
無言でゆったりと入口に近づいてくる。

映画か漫画でしか見たことの無い登場シーンである。

頭の中に昔見た映画「クロコダイルダンディー」が蘇る。

『ダ、ダンディー・・・』

我々を一瞥すると、ニヤリと不敵な笑みを浮かべ

「蜂蜜なぁ?まぁ、ええけども、ふぅん・・・東京の。
アンタ有名なん?まぁええわ、ちょっと、時間ある?」

と特徴的な巻き舌で言うと隣りの家に消えて行った。
お顔は痩せたチャールズ・ブロンソン似である。



『う~ん、マンダム!』

数分するとSさんは黒板とタッパーに入った
蜂蜜たっぷりの蜂の巣を持って出てきた。

ここからSさんのミツバチ講義が理容室の店先で30分ほど催されるのである
(Sさんは理容室も経営しているのだが、営業しているようには到底見えない)。

事前にSOYさんから

「慎吾さん、絶対にSさんにお若いですね~とかお幾つですか?
とか言わないでくださいね(必ず言ってください)。」

とニコヤカに念を押されていたので
ミツバチ講義の途中で蜂蜜をペロペロしながら、
強調されたSさんの二の腕の筋肉に話題をそらし

「すごい筋肉ですけどお幾つなんですか?」とお聞きすると

満面の笑みのSさん
待ってましたと「筋肉お触りタイム」に突入する。
胸板もゴツゴツで、アラウンドセブンティーとは到底思えない。
SOYさんからお聞きしていた、Sさんはいきなり前のめりに倒れて
床で腕立て伏せをしながらピョンピョン飛び跳ねるというのも頷ける。

そこから更に理容室の中のミラクル造形物ワールドの案内に入り
何故か缶コーヒーを奢っていただきビデオ鑑賞会へ
(Sさんは昔TVに何度も出ている。しかし立て看板コレクターとして・・・
実は日本屈指の立て看板コレクターなのだ。
立て看板は縄文で言うところの土偶の現代版のようなものであろう)。
氏曰く。

「あんたも有名かもしらんけど、俺も有名」ニヤリ。

最後はお店の中のジュークボックスから「いい日旅立ち」が流れ
握手で再会を約束しお別れした。

終始Sさんのペースに完璧なまでに嵌り数時間、結果、蜂蜜は買えなかった・・・
(勿体な過ぎてアレンジコーヒーに使えるものでもないからいいのだけど)。

実はSさんはハンターでもあり、熊肉もお分け頂いた。
主に単独猟で犬を使うらしい。リアル平成縄文人である。

衝撃の出逢いから一年。

缶コーヒーと蜂蜜を舐めさせていただいた御礼に
今度は当店の水出し珈琲と豆を届けにやって来た。

「こんにちは~!」

「おぉ!その親しみある大きな体、見覚えあるで」

Sさんは外で何か作業中であった。
SOYさんから私たちがこの日訪ねることは聞き及んでいるので
待ってくれていたはずだ。
SOYさんもSさんも、有難い限りである。

私たちをピッと指さすSさん。

「あんた達、30分くらい時間ある?ええ?」

「えっ?・・・ええ、おじさんに会いに来たんで。
あとはSOYさん行くだけですから」

「おぅ、なら行こうか。車乗って」

まったく予期せぬ展開である。

「別宅がなぁ近くにあんのよ。そこ行くから」

我々は巻き舌に言われるがまま、自転車を置いてSさんの車に乗り込む。

ここから先を文章にすると、ちょっとした小説のようになってしまうので
割愛する。

要約すると、着いた先は氏が再生中の古民家がある山間の集落。
古材と無垢材を用いた伝統工法による再生を行っていた。
広大な土地には川も流れており、尺岩魚が釣れるそうだ。
ノビルなどの野草も生え、ブルーベリーなども自然農法で育てつつ
日本ミツバチの箱を設置している。
相方はアサツキを掘らせていただいた。
もちろん蜂蜜ペロペロと「筋肉お触りタイム」も体験。
ご近所で親子熊が獲れた時の解体写真も見せていただいた。
氏が狩ったものではないが、氏曰く

「オレな、解体も上手いから呼ばれるんよ」ニヤリ。

だそうである。

いろいろと衝撃の数時間であったが、
観光地では味わえないリアルな生き様がそこにはあった。
きっとSさんは何があっても何処でも生きていけるだろう。
それくらいの枯れぬ発想力と体力、精神力を兼ね備えている。

人の目を気にすることなく面白いことだけをして、
人の目を喜ばせることも忘れないエンターテイナーの側面を持ち合わせている。
むしろSさんは人の喜びを糧にしているのだろう。

現代日本人が学ぶべき、尊い日本の暮らしや体験が
こことSさんにはまだまだ沢山詰まっているように思える。

非常に濃密な時間を過ごした我々は
Sさんのお店に戻り、珈琲をお渡しした後
お決まりのジュークボックスから流れる
「上を向いて歩こう」でお別れしお店を後にした。
有難うSさん。上を向いて歩きます。

今回も。蜂蜜は買えなかった・・・。

しかし、、、その頃には陽も傾きかけ、大幅に時間をロスしていることに
いやがおうにも我々は気づかざるを得ないのであった。




(つづく)








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1977/03/05
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