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COFFEE & GALLERY SALON " you " COFFEE ROASTER " in " 自家焙煎珈琲店 国分寺(陽)&青梅(陰) Since 2006
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4店合同イベント「加藤けんぴ店に全員集合!」



11月27日(金)12:00~20:00 LO19:00

11月28日(土)13:00~21:00 LO20:00


場所:ねじまき雲(陽)+加藤けんぴ店+ことり(28日のみ)

ゲスト参加:トコロカフェ

*混雑が予想されますので出来る限り公共交通機関をご利用のうえ
お越しください。
店先に椅子などを置きますので、
お車の場合は、通り沿いのコインパーキングをご利用ください。


加藤けんぴ店グランドオープンイベント
芋けんぴとおにぎりを楽しんでいただくためのエトセトラエトセトラ

*ねじまき雲は11月29日(日)通常営業再開立て直しのため
17:00オープンとなります。


28日15:00~は
ことりさんの青空ワークショップ有。


バードフィーダー¥200 定員10名

バードハウス¥1500 定員4名

バードフィーダーとバードハウスのダブルでの
お申込みも可能です。

所用時間はそれほどかかりません。

詳細は以下



 


ねじまき雲国分寺店の建物には、整体のお店と飲み屋が入っておりましたが
どちらも閉店してしまいました。

どうせなら新しいお店は楽しいお店が入ったらいいなと思いました。
変な人がつまらない店を開く前に、
私の知る変な人に入ってもらえばいいなと引っ張り込みましたので・・・
面白おかしい一角が街に誕生することになったのです。
理想の日本、混沌と自由とわくわくの街角が。


もともと整体のあった場所には

訪問介護事業所「ことり」さんが入ってくださいました。

ハートフルなご夫婦が事業所を営まれておりますが、
ご主人の斎藤さんは皆に「鳥さん」と呼ばれるほど鳥を愛する男。
私も勝手に「バードさん」と呼んでいます。

と申しますのも、鳥を愛し、街を愛する彼は
訪問介護士としての顔の他に

「バードハウスプロジェクト空の家」http://www.soranoie.org/index.html

という活動を国分寺でなさっておられます。

バードハウス(鳥が子育てと巣立ちに使う巣箱)を
街のあちこちに設置し、それを見回っていたりもします。
彼の愛する鳥と木々と街と人が共に身近にあるように。

ですので、街のイベントでは時々バードハウス作りのワークショップを開き
楽しくその振興に努めていらっしゃいます。



バードさんは、お祭り好き。
先日あった街のイベント「ぶんぶんウォーク」http://bunbunwalk.com/でも
ボランティアとして中心的役割を担っておられました。
今回はカンバッジまで作ったみたいです。
いつもイベント前や国分寺の地域通過「ぶんじ」http://bunji.me/会議では
介護が終わった後にも関わらず
夜遅くまでミーティングの灯りが
点っています。



訪問介護にはそもそも路面に面した事務所は必要ないのですが、
彼らの事業所は、いつでも誰かが気軽に遊びに来たり相談できるようにと
塀がバードハウス風になっていたり、オープンな造作になっています。
おばあさんの道案内や、拾いもののお届け、バス待ちの人の日除け雨避け
緊急でお困りの方の手助けまでなさっていたりするので、頭が下がります。

訪ねる場があるというのはそれだけで街になるのだなぁと
学ばせていただいておりますが、なかなか誰でも出来ることではないですよね。
TVで老人の孤独死特集を見て

「ひとり孤独に死ぬなんて俺が許さん!!」とそれまでの仕事を辞めてしまって

訪問介護士になっただけあります。






こちらがバードさん。なんか作ってますね。下ごしらえでしょうか?

今回のイベントでも格安でワークショップをしてくださいます。

27日は介護のお仕事のため不参加。夕方から場所だけ
提供してくださるかもしれません。

28日は上記にあるように15:00から

バードハウスとバードフィーダーのワークショップを
ご予約優先でしてくださいます。



こちらがバードフィーダー。鳥のエサ置き台です。

バードハウスは画像にある看板の横についているものです。
ちなみに「ことり」のイラストは私の消しゴムハンコが原画なのです。
嬉しいですね。

バードハウス¥1500 4名定員

バードフィーダー¥200 10名定員

場所はことり前。雨天はことり内。

時間がないため色塗りはありません。
持ち帰って各自でなさってください。
詳しい説明はバードさんからあります。

お申込みは

pepin0903@gmail.com

まで。

〇 お名前 参加人数

〇 作りたいもの バードフィーダーかハウスか両方か

を明記ください。

先着順にて定員になり次第修了となります。

あなたのお家にも、お一ついかがですか?







当店の隣には飲み屋が入っておりましたが、
そちらが無くなって出来たのが、

「加藤けんぴ店」さんhttp://www.kato-kenpi.com/です。

向こう側に見える窓が当店の厨房です。

もうご存じの方は多いかもしれませんね。
当店と「トコロカフェ」さんhttp://tocoro-cafe.com/
共同で開発している珈琲豆、トコロブレンドオータムに、
加藤さんの作る芋けんぴをセットでお出ししていたこともございました。

このたびその加藤さんが満を持して
当店の隣にお店をオープンしてくださいます。

11月からプレオープンはしておりましたが、
このイベントを機として晴れてグランドオープンとなります。

みたらし味やパープルスイートロードのさつま芋など
独創的なお味の芋けんぴは珈琲ともよく合います。






さらには加藤さん、おにぎり屋さんで修行を積んだ経験もあり
かなりおにぎりが美味しいのです。

分厚い羽釜で炊きあげた輝く米粒。
歯切れのよい風味豊かで繊細な海苔。
そして手作りの厳選具材。

おひつまで、木の香りが薫る手作りを新調。
その香がおにぎりと相まって食欲をそそる風味となるのです。

おかずも骨格がしっかりとしたきんぴらや
老舗の卵焼き屋のようなジューシーな出汁巻き卵も。

個人的には出汁巻きと玄米塩にぎりの組み合わせがもう・・・

あ、涎がパソコンに垂れてしまいました。失礼。

残念ながら取材に行くと本イベントに向けて絶賛臨時休業中でしたので
おにぎりは撮影できませんでしたが、

トコロカフェさんのブログに美味しそうな1カットが載っていますので
そちらをご覧ください。http://tocoro-cafe.com/nikki.html




加藤けんぴ店になって設けられた真新しい引き戸も、
これまたトコロカフェ常連の藤田さん
CAMP DESIGN INC.http://www.camp-archi.com/
が、デザイン制作設置をご協力なさっていました。
持つべきものは良縁ですね。
今後どういう風に木戸が育っていくのか楽しみです。




そしてほら、こんなトコロにもトコロカフェが!!
んっ??どこどこ?
詳しくは当日ご本人たちにお聞きくださいね。

加藤さんにこの縁をもたらしたといっても過言ではない
師弟関係にあるトコロカフェさん。
当然このグランドオープンイベントの策士としても
動かないはずが無いのです。

今回はトコロカフェの店主上村さんが

〇 加藤けんぴ店の中でトコロカフェの超絶激旨焼き菓子販売と接客を。

トコロカフェのマダム直子さんが

〇 ねじまき雲の中で、イートイン用のチーズケーキとアイスをご提供。

すべて紙皿での提供となりますので、

当店で購入したアイスを持って加藤けんぴ店に行くと

◎アイスの上にトッピング用芋けんぴを購入しかけてもらえるという算段です。

通常の芋けんぴをアイスに絡め
スプーン代わりにして一緒に食べるのも
トロッカリッと食感と味のマリアージュをお楽しみいただけます。


ねじまき雲は余計なことは何もせずシンプルに。

トコロブレンドオータムの

レギュラーコーヒー

カフェオレ

の2種をドリップいたします。

イベント価格どちらもワンコイン
¥500のお手頃価格でのご提供です。

紙コップでご提供いたしますので、

お菓子と珈琲を持って、加藤けんぴ店さんやことりさんなど
おもいおもいの場所でおくつろぎください。

当日はぐっと寒くなるようですので、
防寒も忘れずに。








まるで万華鏡か

蜘蛛の巣のような

不思議な影を天空に映し出す

加藤さん自作の芋けんぴライト。

万華鏡のように、くるくる回る愉快で不思議な世界の2日間

絡め絡まり

お楽しみください。



















 

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じつは、先週水曜日、青梅の夜の部では
シークレット蚤の市が開かれておりました。

あまりに素敵なお品が多くて、お客様がたの
来週も是非とおっしゃいますお声が多かったものですから、



明日の水曜日11月25日の夜の部PM10:00~も
蚤の市を緊急開催することとなりました。



場合によっては混雑いたしますため
珈琲はご無理にとは申しませんので
お品物だけでもご覧になっていってくださいませ。

その関係で珈琲は品数を減らしリーズナブルな価格にて
紙コップ提供とさせていただいております。


 
アンティークフォーク&ナイフ 柄が骨、先はシルバー 一本¥1500






アンティーク琺瑯の物入れ FLOUR¥6000 BREAD¥8000






イギリスアンティーク1950年代頃 花柄皿¥1500~ カップ¥1500






アンティークキャニスター類
KLEEN KITCHEN WARE1930~40年代頃¥3000~






ベークライトナプキンリング ¥1000~




 



古唐津、初期伊万里など陶片 ¥500~



元バックパッカーだった当店常連のMさんが、
20数年前の若かりし頃、世界中で買い集めた
旅のストーリーの詰まった逸品たちです。
ここにあげましたのはごく一部でございます。
さらに明日新規納品も少々ある予定です。。

床下に20数年眠っていた品々は
風化した「1995年」の新聞紙にくるまっていました。
ねじまき雲で再び人の手に触れた新聞は
紙吹雪のようにちりじりになってしまいました。
時が経つと新聞ってこんなになるんだなぁと
新鮮な驚きがありました。

当店がマージンを頂かぬフリーマーケット形式であるためと
Mさんのご厚意もありまして格安にてのご奉仕価格でございます。

私が調べましたところ、
ホーローの物入れなどは一万を越えるものですし
ベークライトの鳥のナプキンリングなどは2500円で
出展しておりますが、あるお店では6800円ほどのものでした。

アンティークのキャニスターは同型のものはほとんど日本に入っていない珍品。
年代の若いものでも8500円~12000円は致しました。
それを3000円からとは・・・


Mさんは若かりし頃、いつかはこの陶片などの品々を使い
料理屋を開きこの器たちに料理を盛るという夢があったそうです。
それゆえ、陶片も料理を盛るにいい平たさと大きさになっています。

Mさんの夢。

料理屋で骨董を用い幸を盛りつけ酒を飲み、
そして買い付けたアンティークを販売する。
今、Mさんはまったく違う仕事をしておられますが、、、

今ここに、アンティークを売る飲食店が出現し
料理と酒はございませんが、
珈琲の香りが時を埋める夢吹雪の一夜となるでしょう。






そうそう、最初に挙げました画像でござますが、
あまりの美しい造形美に、わざと逆光で真横に向けて撮りました。

まるで当店のエスプレッソマシンのようですが、
こうして斜めにしますとなんとなく何か分かりますでしょうか?

実はこれ、1930~40年代の手搾りのジューサーなのです。
こちらもほとんど日本に入って来ておりません。
No2の表記がありますので、No1もあったのでしょうか?
古いものにはロマンと美が詰まっておりますね。
お買い上げ下さったらこちらには是非、果物も詰めていただきたいものです。

ヴィンテージジューサー ¥5000










 



 





「キッチン麻子」ご来店いただいた皆様
どうも有難うございました。

もう1週間も経つとは思えないほど昨日のことのようです。
歳のせいか回復が遅くて泥のように死んでおりました。
42.195km走り切った後のような心地よい疲れでした。

とてもスペシャルな一日になったと思いますが、
それは麻子シェフと私だけでは作りだせない
皆様の温かなご声援とご協力、美味しい笑顔あってこそでした。
幸せな時間を作りだしてくださるスペシャルなお客様がたには
いつも感謝いたしております。
有難うございます。

「キッチン麻子」
思えば1年半ほど前から始まった企画でした。



ここまで作り込んだイベントは、


もうしません。


違う形ではやるかもしれませんが、
いずれにしても、作り込んだ飲食コラボイベントは
するつもりがありません。
何故かと言いますと・・・
これは一連の流れの中にある三部作の最終回だったのです。

「キッチン麻子」が決まった段階で
本当に自分が伝えたいと思える飲食イベントで燃え尽きる
というテーマが頭に生まれました。

関わりがある大切な人のなかで、
私がピンポイントで心揺さぶられるようなものを作る人に
小説仕立てでスポットを当てることに致しました。

第一回目は、昨年秋に行いました
「カフェソメイエ」さんhttp://blog.cafe-sommeiller.com/とのコラボイベント

「秋の夜長煮込み」

おでんやモツ煮込みと日本酒が合いそうな和な題名ながら
ソエイエさんの煮込み料理にスポットをあて
セネガルとロシアの煮込み料理をお作りいただき
ラム酒を合わせました。
「珈琲を淹れない」という初の試みにもなりました。

第二回目は、今年夏に行いました
「いずん堂」さんhttp://izundou.com/とのコラボイベント

「スープの時間」

命に活力を与える滋味にあふれたポタージュスープにスポットをあて、
スープの基となる出汁と、珈琲の出汁感をフィーチャーしました。
イベントならではの予想外の化学変化も起こしてくださり
いずん堂さんゆかりのアーティスト
田中彰さんhttp://www.tanakasho.com/にも途中参戦頂き
素晴らしい出汁レシピを作成下さりました。
若い力にも支えらたイベントでした。

そしてトリの三回目
「昵懇」さんhttp://jiccon.com/とのコラボイベント

「キッチン麻子」

大きな総括となる最終回、スポットをあてたものは、
人。親子。人生。
そして料理の生まれるキッチンでした。
有難いことに小説仕立てのエピソードとDM製作が完結しない内に
ご予約が埋まってしまいましたので、
DMだけは事後製作の印刷無し。幻のデザインとなりました。




これにて、体験型リアル小説三部作
完結です。

全てのストーリーにご参加くださった方は、いらっしゃったかな?
お楽しみいただけましたなら幸いです。

これで心残りなく筆を置く事ができます。

ご参加くださった皆様、本当に有難うございました。


また、いつかどこかで。。。












先日もお伝えしました通り

11月7日(土)青梅で行われますイベント

「キッチン麻子」はすべて満席となりました。


ご予約くださいました方々には本当に有難うございました。


イベントに伴いまして

11月6日(金)は臨時休業となります。

11月7日(土)はイベントのため国分寺は休業となります。


11月2日(月)も別件にて臨時休業となります。



この「キッチン麻子」

シェフ麻子のストーリーを過去2回にわたって
ブログにてご紹介して参りました。

実は全くのフィクションではなく、私が取材し実話に基づいた物語でした。

お気づきの方は多いと思いますが、この麻子シェフ。

経堂で2006年「cura」というカフェを開業し2013年に閉店。
その後葉山で2013年、大人なお料理の企みを主とした
「昵懇」http://jiccon.com/
を開業なさった大西麻子さんの物語だったのです。

本当はあともう1話ストーリーと
DM作成を考えておりましたが、瞬く間にご予約が埋まってしまいましたので
ネタばらしの今回まで一気に回が飛んでしまいました(笑)。




作り手の背景を知ることは大なり小なりお料理の背景も
味わい楽しめることに繋がりますよね。

お楽しみいただけましたら幸いです。





さて、昨日麻子シェフから概ねの料理の方向性が決まったと
ご報告がございましたので、
ご予約の皆様にも現時点での内容をご報告いたします。



・牛蒡のポタージュ 中煎りのエスプレッソ粉を使って


・自家製丸パンをひとつ


・時期のお野菜の自家製ハムサラダ


・旬の魚のほんのりスモーク トマト風味の煮込み豆を添えて


・ハーブやガーリックを利かせた豚肉のポルケッタ


・有機セモリナ石臼挽粉の手打ちパスタ 春菊のジェノベーゼ、マツの実を散らして


・珈琲風味のモンブラン



もちろんお料理に使用する珈琲は当店のものとなります。


当店サイドは



・食前珈琲 特濃水出し珈琲の甘味付き



・メインの後 浅煎りのさっぱりとするペーパードリップ珈琲 ミントを添えて



・お菓子とともに ネルドリップの深煎り珈琲


の三種をお付けいたします。



ご予約くださいましたお菓子「アンパッケドカドー」は

当日まで内容を練るので変更があるかもしれませんが

・ノーマルフィナンシェ

・シュトレン

は確実でございますが、

その他は、普段昵懇さんではやらないスペシャリテを
ご用意くださるそうですので、お楽しみください。


当店は、

普段はやらない浅煎り珈琲のブレンド豆売りを
少量棚にご用意いたします。

メインに合わせるスペシャル珈琲を用いたものを
8袋ほどを考えております。

なんと!!!!
超高級豆のブレンドです。
普段は絶対使わないゲイシャ種やイエメンなどのセレブ豆を
奮発して使ってしまいます・・・。



*旬の素材の入手の関係で当日お料理内容の変更もあるかもしれませんが
ご了承のほど宜しくお願いいたします。



それでは、ご予約のお客様
当日、青梅にてお待ちしております。


ご予約から残念ながら漏れてしまいました方々
申し訳ございませんでした。
今回燃え尽きなければ、また来年どこかでやるかもしれません。
もしくは高くつきますがお金持ちの方がいらっしゃいましたら、
ご用命ください(笑)。



旅する料理店「キッチン麻子」by 昵懇 × ねじまき雲









  













今週末のイベント


青木隼人氏 演奏会

「日曜の朝と月曜の夜」

におきましては、お蔭さまで満席となりました。
有難うございます。


10月25日(日)AM 6:30 オープン 7:00 ~ 8:30 満席

10月26日(月)PM 21:00 オープン 21:30 ~ 23:00 満席





再度、ご予約済の方々につきましても
以前にも記事にいたしましたが、
以下不具合がございました関係で
当店から予約受付完了のメールの届いていない方が
万が一いらっしゃいましたら
ご確認のほど宜しくお願いいたします。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ご予約の確定として当店からメールを返信しておりますが、
返信メールが届いておらず、
予約が受けつけられたかどうかわからない
とのご報告をいただいた方がおりました。

予約者御本人立ち合いのもと、
メールのやり取りを何度かいたしましたところ
お客様のメール設定によっては、
当店のメールが全てはじかれてしまう状態であることが
分かりました。
不測の事態がございまして
ご不安を与えてしまいましたこと
深く陳謝いたします。

もし当店のメールアドレスを受信可能設定にしておらず
はじかれてしまっておられる方が他にもいらっしゃってはと思い
この状況を公開した次第でございますが、
万が一当方から予約受付の返信が無い方がいらっしゃいましたら
お電話を頂ければ幸いです。

一応これまでご予約いただきました
計24名様、特に20日21日にかけましてご予約くださった
方々につきましては全員ご予約を確定しておりますが
こちらからの返信がないという方がいらっしゃいましたら
ご確認のほどお願いいたします。














 



独り娘が「海外で暮らす」などと突然言いだしたら、
普通は反対するのだろうか。

だがシェフ麻子の家は違った。
幼い頃から父の仕事がら、あるときは西欧、あるときはインド人と
国際色豊かな顔ぶれが食卓に集った。

「外を見なさい」

そういう環境で育ったせいか、
自然彼女の目は海の外に向いていった。

眠っていた味覚の蕾が急に開き始めたのは中学の頃。

「美味しいものを作るには本当に美味しいものを知らないと」

と母が長谷にある割烹「魚福」に
足しげく通わせてくれた。

牡蠣のすりながしに、河豚の白子あえ。
地魚のお造り、浅利の味噌汁や、芋がらの煮付け。
どれも素材本来の甘みや食感を最大限に引き出すための、
シンプルな引き算の調味。

理に敵った材料仕込みは盛り付けも美しく引き立てる。
だからこその、料理。

店と昵懇になると、
中年をとうに過ぎた大将が目尻に皺を寄せては嬉しそうに
旬のあれこれの楽しみようを、
嬉々とした女の子に教えてくれたものだ。

だからシェフ麻子には自信がある。
自分の舌で選ぶことに。
ブランドやコマーシャル、他人の評価に惑わされることなく、
美味しいを嗅ぎ当てる細胞が
鍛えられ備わっているからだ。

1997年、二十歳そこそこで、
ついに彼女は料理を学ぶためフランスへと渡った。

暮らしと飲食の香が色濃く街角へ詰まったパリの空気は、
すっと肌へ馴染んだ。
様々な国の友とフレンチやイタリアンを学んだ。
フランスにいる間、
彼女の才覚はまさに水を得た魚のように挫折知らずだった。





しかしずっとフランスにいるわけにはいかない。
ビザの制約があるのだ。

日本で力試しをしてみたい。
自分の腕のみでお金を稼ぎたいという思いもあった。

渡航五年後の2002年、希望を胸にした料理人は、
再び故郷の土を踏む。

料理はいつも彼女の味方だった。
彼女が魚なら、素材やそれを育むテロワールは水なのだ。
でも日本に帰ってきて、魚を取り巻く水が変わった。
日本の食材でフランスと同じように作っても、
その味にはならないのだ。

美味しく出来ない。

それでも当時の彼女には作り続けるしか、
出来ることがなかった。
地道な作業や待つ時間が、
あまり苦にならないタイプなのだ。

粉を練って無限とも思えるほど生地を千切って
耳たぶのようなオレキエッテを仕込んだり。
サラダにする透明な小アジを
永遠とも思える時間速やかに三枚におろし続けたり。
そんじょそこらの男より、根性もよほど座っている。
好きなことなら、
それでもなおと思える心が、徐々に風土の垣根を壊していった。
海から川へ上る鮭のように、
変わったのは、あるいは戻ったのは、
水ではなく彼女自身だったのかもしれない。





料理の楽しさやもてなしを教えてくれた、
今は無き割烹「魚福」。
パリ渡航前夜、
彼女の最後のリクエストは、
アジのにぎりだった。

あれから10数年、
回遊し続ける彼女は、
一期一会のリクエストに全力で応える
「キッチン麻子」のシェフになった。


 


「キッチン麻子」

完全予約制

11月7日(土)

場所:ねじまき雲(陰)青梅店

昼の部 定員8名 12:00~

夜の部 定員8名 18;00~

*一組のご予約最大人数は4名様までです。

料金¥8000


麻子シェフによるフルコース


スープ

パン

メインディッシュ(肉&魚)

パスタ

デザート(タルト)

キッチン麻子の珈琲担当による

食前珈琲

メインに合わせた珈琲

デザートに合わせたスペシャルブレンド

の三種の珈琲



予約者限定で追加予約

スペシャルスイーツセット(お持ち帰り用)
「アンパッケドカドー」¥1500
がご予約可能です。

プレーンフィナンシェを含む
今回のみのスペシャルな内容です。
カヌレや、普段買うことの出来ない麻子シェフ特製のシュトーレンも
セットになっております。

ご予約時にこちらをご購入希望の場合はお知らせください。


*珈琲以外の麻子シェフ特選ビオワインなどのドリンクは
その場で追加オーダーする事ができます。
こちらは別料金となります。
当日は棚で、スペシャルブレンド豆150g¥1200
の販売もございます。



☆本イベント「キッチン麻子」ご予約希望のお客様は、
当店が受付窓口になりますので、

当店営業時間内にお電話にてご予約を承らせていただきます。
抽出、サービス中はお電話をとることが出来ない場合もございますが
何卒ご了承ください。
営業時間外でのお問い合わせはお受けすることができません。
くれぐれもご注意ください。
また、ご来店されて口頭でも大丈夫です。

お名前、お電話番号、人数、ご希望の部、
アンパッケドカドーのご予約の有無

をお伝えください。

キャンセルはキャンセル料が発生いたしますので
熟考のうえ、ご予約のほどお願いいたします。







手抜きの感覚がわからない。

彼女がフランスで暮らし、
本式の料理を学んだからというわけではない。
レンジでチンして終わり。
細粒をサラサラふってかき混ぜて終わり。
そういうものが悪いというのとも違う。

彼女の生きる手順のなかに、
そういうものが昔も今も存在しないだけなのだ。
現代には馴染めないな。
彼女は独りごちながら、
窓から漏れ入る夕焼けを溶かし入れた茜色のトマトソースを
コトコト煮込んでいる。

母が、手を抜かない人だっだ。
手間ひま惜しまず玉ねぎをじっくり炒めて
お醤油が隠し味の欧風カレーを作っていた。

飴色の玉ねぎも、茜色のトマトソースも、
美しい身体を完成させるための、腰のようなものだ。
抜くことのできない当然の手順。
どう作ったか得体の知れないふにゃふにゃの腰だと、
料理はスッと立ってはくれない。
一から筋を通して責任の所在をもった下ごしらえは、
美味しさにアルデンテな骨格を持たせる。

美味しい遺伝子が受け継がれるように、
母の手を見て育った彼女も、
下ごしらえで経ってゆく時間が、
自然と苦にならなくなっていた。






時折古い雨戸を、
誰かが訪ねて来たかの如くカタカタノックする音がする。
優しい夜風が潮の香りを運んで来るのだろう。
この家に泊まりに来て、怖がる人には
「別に悪いもんじゃないのよっ」
そう冗談めかして言うことにしている。
見守ってくれてるような、
そんな懐かしい気配が海風の匂いにはある。
キッチンの、
菜の花色の電灯の下にはまだ、
太陽がいい甘酸っぱさで
コトコト笑っている。

彼女の名は麻子。
洗いざらして陽にかざしたフレンチリネンのように
サラッとして腰が強い子にとの思いで両親がつけた名のように
混じりけのない正直な手料理を作る。

彼女と同じように手が抜けなくて、
でもどこか抜けている気の置けない主のいるキッチンに旅をして、
食べてくれる人の肩の力を抜く仕事。

旅する料理店「キッチン麻子」
それが今の、シェフ麻子の仕事だ。

青梅という山あいの町で、
海風を連れて1日限りのフルコース

「キッチン麻子」の幕が開く。



「キッチン麻子」

完全予約制

11月7日(土)

場所:ねじまき雲(陰)青梅店

昼の部 定員8名 12:00~

夜の部 定員8名 18;00~

*一組のご予約最大人数は4名様までです。

料金¥8000


麻子シェフによるフルコース


スープ

パン

メインディッシュ

パスタ

デザート(タルト)

キッチン麻子の珈琲担当による

食前珈琲

メインに合わせた珈琲

デザートに合わせたスペシャルブレンド

の三種の珈琲



予約者限定で追加予約

スペシャルスイーツセット(お持ち帰り用)
「アンパッケドカドー」¥1500
がご予約可能です。

プレーンフィナンシェを含む
今回のみのスペシャルな内容です。
カヌレや、普段買うことの出来ない麻子シェフ特製のシュトーレンも
セットになっております。

ご予約時にこちらをご購入希望の場合はお知らせください。


*珈琲以外の麻子シェフ特選ビオワインなどのドリンクは
その場で追加オーダーする事ができます。
こちらは別料金となります。
当日は棚で、スペシャルブレンド豆150g¥1200
の販売もございます。



☆本イベント「キッチン麻子」ご予約希望のお客様は、
当店が受付窓口になりますので、

当店営業時間内にお電話にてご予約を承らせていただきます。
抽出、サービス中はお電話をとることが出来ない場合もございますが
何卒ご了承ください。
営業時間外でのお問い合わせはお受けすることができません。
くれぐれもご注意ください。
また、ご来店されて口頭でも大丈夫です。

お名前、お電話番号、人数、ご希望の部、
アンパッケドカドーのご予約の有無

をお伝えください。

キャンセルはキャンセル料が発生いたしますので
熟考のうえ、ご予約のほどお願いいたします。
































△  D  〇







国立市谷保「circle」http://circle-d.me/gallery/
で開催中の展示


小澤真弓「読み描き」


10月4日(日)ねじまき雲の出張珈琲

12:00~19:00

*10月3日(土)ねじまき雲は準備のため臨時休業
10月5日(月)通常営業立て直しのため17:00~営業



いよいよ今週末です。


先日、お忙しいなかを縫って試食用のお菓子を携え

「サモサワーラーティモケ」http://tidaaaa.exblog.jp/のティモケさんが

当店に打合せに来てくださいました。

彼女には過去何度か出店でお世話になっているのですが
こうして珈琲とすり合わせる形でお菓子を作っていただくのは初めてです。

普段はスパイスの効いたインド人もびっくりの
美味しいカレー味サモサを作っているのですが、
今回は珈琲に合う甘いサモサをオーダーいたしました。

さらには彼女の感性で仕上げたオリジナルお菓子
〇(丸)型のバルフィーボールなるものもお持ちいただきました。

火を通さず素材を生かすローフードスイーツがもとになっているそうですが
それが見事に彼女の優しいスパイス使いの光る個性的な逸品に。

全粒粉を惜しげなく使ったプチプチザックリと
香ばしい甘いサモサも
小豆と南瓜のサモサや、バナナのサモサなど
どれも珈琲にピッタリでオンリーワンなお味なのです。

造形も普段のサモサは△(三角)ですが
甘めのサモサはD(半月)型。
手間を惜しまず目でも楽しませてくださいます。

最初は私が彼女のお菓子も販売する予定でしたので
それほど種類も頼めないかと思っておりましたが
なんとお越しいただけるようになり
ダブル出店となりましたので、
リミッターが外れて、きっと皆様には楽しいラインナップに
なるのではないでしょうか?

私は小澤さんからお借りし読んだ本をもとに、
そのインプレッションで珈琲を作ります。
苦めの珈琲となりました。
豆も少量販売いたします。
いつもは私が展示に合わせパッケージデザインをしているのですが、
今回はなんと豪華!!
サークルの丸山さんが小澤さんの画をもとにデザインを担当くださいますので
いつもより高級感のある特別な一袋になりそうです。
楽しみですね~。

苦めの珈琲とティモケさんのお菓子。

そして当店の珈琲粉の出し殻で抽出した液で
描かれた小澤真弓さんhttp://approach894.com/の絵の数々

何重にもコラボされ一丸となった素敵な時をお楽しみください。












当店でおこなわれます

青木隼人ギター演奏会




「日曜の朝と月曜の夜」



10月25日(日)AM 6:30 オープン 7:00 ~ 8:30 予約満席

10月26日(月)PM 21:00 オープン 21:30 ~ 23:00 予約満席


両日とも予約満席につき

本日をもってメールご予約受付を終了させていただきます。


ご応募くださいました皆様ありがとうございました。
当日、青木隼人氏とともに、ねじまき雲(陽)にて
お待ちしておりますので
どうか私どもとご一緒に良い時をお作りいただく
お力添えをくださればと思います。
宜しくお願いいたします。

画像にあります青木隼人氏のCDの販売もございますので
この機に是非お買い求めください。
ウクレレは昔購入し弾こう弾こうと思いながら
そのままになっている私の所有物です。
置き物になってしまっている可哀想な楽器、いくつかあるなぁ・・・
皆さんもそういうのってありませんか(笑)?


ここでご予約してくださいました方々につきまして
ご報告がございます。


ご予約の確定として当店からメールを返信しておりますが、
返信メールが届いておらず、
予約が受けつけられたかどうかわからない
とのご報告をいただいた方がおりました。

予約者御本人立ち合いのもと、
メールのやり取りを何度かいたしましたところ
お客様のメール設定によっては、
当店のメールが全てはじかれてしまう状態であることが
分かりました。
不測の事態がございまして
ご不安を与えてしまいましたこと
深く陳謝いたします。

もし当店のメールアドレスを受信可能設定にしておらず
はじかれてしまっておられる方が他にもいらっしゃってはと思い
この状況を公開した次第でございますが、
万が一当方から予約受付の返信が無い方がいらっしゃいましたら
お電話を頂ければ幸いです。

一応これまでご予約いただきました
計24名様、特に20日21日にかけましてご予約くださった
方々につきましては全員ご予約を確定しておりますが
こちらからの返信がないという方がいらっしゃいましたら
ご確認のほどお願いいたします。




















青梅でねじまき雲を開店し比較的すぐのころだったろうか。
もう10年近く前のことだ。

ご近所の初老のご夫婦がお越し下さるようになった。
ご主人は山が好きで、植物が好きで、
何だか儲かりそうにない訳のわからん店をやっている私のような若者に
とても世話を焼いてくださる方だった。
何故か一緒に奥多摩の山に登ることになったりして
植物について教えてくださったりした。

当然なのだが、山も一本一本の木々の集まりなのだなと改めて思ったものだ。
「木を見て森を見ず」とは言うが、
木を見ないと、森も山も見えてはこない気がした。

ご夫婦の家はその昔豆腐屋を営んでいたそうで、
その古い店舗部分を取り壊す時、材や椅子などを頂いた。
それが今、青梅のお店のスチール棚や
国分寺のお店のカウンターの袴部分の材などとして生きている。

彼らには私より若い娘さんがいらっしゃって
ご両親より少しほど後に当店へも時々お越し下さるようになった。
絵を描いているという。
しかも珈琲の液で絵を描くという。
それからは当店の珈琲の出しがらを
画材として提供させていただいたりしていた。

時は移ろい2か月ほど前、
谷保で「circle」という素敵なギャラリーをしているオーナーさんから
出店のお誘いがあった。
オーナーさんとは、まだ「circle」を始める前に偶然出逢い
何故か初見でかき氷屋さんにお連れ頂き
一緒に氷山のようなかき氷を食べたりした。
それから何かとお世話になっているのだが、
なんたるご縁か、そのギャラリーでこの度、件の娘さんが展示をするのだという。

「これはひとつの登るべき山なのだな」と直感したので
お引き受けすることにした。

今回当店の珈琲の液で描かれる絵は、

「本」がテーマになっている。

そのいくつかの本のイメージから絵は産みだされるというのだ。

彼女が展示のため選定したいくつかの本を
私もお貸しいただいた。
その中から私が見出した本のイメージで
私も珈琲を作ろうということだ。
本という字は一本線を抜くと

「木」になる。
木を見ないと、森も山も見えてはこない。

もう、ひとつ本を選び味の方向性が決まったところだ。



小澤真弓 「読み描き」



展示は「circle」さんで9月25日(金)から始まりますが
私の出店は

10月4日(日)のみです。

それに伴い10月3日(土)は搬入と準備につき休業

10月5日(月)は再開準備につき17:00~の営業となります。

珈琲のお供に、何度かお世話になっている激旨サモサ屋さん
「Samosa wala Timoke」さんhttp://tidaaaa.exblog.jp/
にお菓子をお頼みましたので
合わせてお楽しみください。


展示・出張珈琲の詳しい内容はこちら「circle」さんhttp://circle-d.me/gallery/blog/2015/08/next_exhibition_2.html

のページをご覧ください。


小澤真弓さんHPhttp://approach894.com/


当店の斜め向かいには、名水百選湧水の小路であるお鷹の道の入り口がある。
このトコロの雨で水量が増して
そこかしこ、「とぷんたぷん」ふくよかな音を鳴らしている。
今朝ほどはまだツクツクボウシとミンミンゼミが、
最後の協演に力を振り絞っていた。




水辺にはハグロトンボの雄が
ターコイズ色に反射する腹を見せつけながら
悠々とコウゾの葉の上で羽休めをしている。
小さな海のような輝きは雌ならずとも、誰をも引き付ける甘い魔力に満ちている。





さやりと風が吹けば、レモンイエローに染まった焼き菓子のような葉が
くるくると回転しながら水の上を滑っていく。
セミが鳴いてはいても秋の序曲は流れ始めている。



着水せず銀色の弦にポロンと引っかかった落ち葉には
獲物と勘違いした蜘蛛がかさこそ這いまわって、
どう捕獲したものかと、ぐるぐる巻きの糸口を探しているようだった。





さて、夏と秋の境目です。

今週末の9月26日(土)27日(日)28日(月)
は毎度お馴染みトコロカフェさんhttp://tocoro-cafe.com/index.html
ねじまき雲(陽)内にあるトコロカフェ分室棚で
焼き菓子を販売しにいらしてくださいます。

期間中トコロカフェ上村氏が在店し
販売くださいます。

共同開発の珈琲豆、トコロブレンドサマーもこの期間
数量限定販売で終売です。

アイス珈琲やカフェオレにピッタリのサマー。
この機会に是非。

この期間中は当店のお菓子はございませんので、
お買い上げいただきました焼き菓子は
珈琲と一緒に当店でお召し上がりもいただけます。

上村さんとご歓談しながら、最後の夏をお楽しみください。

そうそう、もし店内が混雑しておりましたら、
当店の斜め向かいから、秋の探索に野川沿いからお鷹の道まで
お散歩して頂くのもいいかもしれません。

*焼き菓子などイベント内容詳細は
トコロカフェさんのHP内日記ページをご参照ください。







 




私は音痴だ。

しかし、小さい頃リコーダーで
「コンドルは飛んでいく」というのが唯一好きで
涎が垂れるまで繰り返し吹きまくっていた。

少し大きくなってからは、ブルースハープで
「アメージンググレース」が訳も分からず好きで
涙して繰り返し吹きまくっていた。

私が今までまともに奏でられた旋律はこのふたつだけだ。



ねじまき雲では、

繰り返しかかっている旋律がある。

かかっていないようにかかっている。

珈琲を淹れる呼吸によくなじむのだ。


奏者の旋律は

時にどこか知らない異国でたなびく
麦の穂の波を心象に描き、

時に敬謙な祈りにも似た昂ぶりを
聴く者の涙へと浄化する。


彼の音が胸に響くとき、

音楽に稚拙な私はいつもこう思う。

「どうしてかわからないけどこれは、
コンドルは飛んでいくと、アメージンググレースみたいだなぁ・・・」






青木隼人ギター演奏会




「日曜の朝と月曜の夜」




場所

ねじまき雲(陽)
東京都国分寺市東元町2丁目18-16吉野ビル104号室


ねじまき雲でBGMとして流させていただいておりますアーティスト
青木隼人さんhttp://grainfield.net/aoki/が当店で日曜の朝と月曜の夜の2日間
演奏会を開いてくださいます。
上のイメージ画像も青木隼人さんが描いてくださいました。
素敵な絵を有難うございます。


10月25日(日)AM 6:30 オープン 7:00 ~ 8:30 予約満席

10月26日(月)PM 21:00 オープン 21:30 ~ 23:00

*それぞれライブ後に1時間ほどCD購入や
珈琲追加ご注文ご歓談時間を設けますが、
ご用事などございます方はライブ後の解散は自由です。


各、定員12名 *25日(日)は満席となりました。


¥3000


ねじまき雲の珈琲1ドリンク付き

珈琲がお飲みになれない方は
りんごジュースをご用意させていただきますので
事前にメールにてご連絡ください。

*26日夜の部は赤ワインをご用意させていただきますので
当日でも結構ですので、お好きな方をお申し付けください。


完全予約制


9月20日 昼 12時より当店メールにて予約開始

nejimakigumo@yahoo.co.jp

先着順、定員なり次第締め切らせていただきます。

告知をお読みになられて熟考していただくお時間を
とっておりますのでフライングはご予約対象外となりますので
お気を付けください。


・お名前

・人数

・当日ご連絡のつくお電話番号、メールアドレス

・どちらの会にご参加希望か(あるいは両日か)

を明記のうえ上記当店メールアドレスまで
ご予約ください。
確定次第ご予約決定のお知らせをご返信させていただきます。


キャンセルは出来る限り無いようお願いいたします。



では、何卒宜しくお願いいたします。


20日夜現在で25日は満席。予約受付終了となりました。
26日のみご予約受付となります。












岡山。

ある日曜日のAM7:30

スリットの光時計を背負いながら、
意識と音をチューニングしていく青木隼人氏。

何かが始まろうとする緊張感と、朝のゆったりとした空気に
祈りにも似た音が溶け込んで、それを聞くものの心を
遠い間(あわい)のしじまへ運んでゆくようでした。

堀仁憲氏のシノギの切り立った稜線が白く浮き立ち、
坂野友紀氏の洋白や真鍮の、教会の鐘にも似た輝きが、
刻一刻と音と朝陽を吸って増していきました。

「喫茶のこと」

堀仁憲氏が企画くださったこの展示。

表面だけを追えばそれは、
喫茶にまつわるあれこれを売る
ということなのかもしれません。

しかし、その真髄は
こういう時間を愛でる
ということなのではないでしょうか。

喫茶とは日常の中のいっすんずれた次元にある
必要のない必要な時間。
日常と非日常のあわいのようなものです。

そこに

珈琲がある。

マスターがいる。

場所があり音楽がある。

そして

愛でたくなる器があり

訪れる人がいる。

こういう幸せのあわいの中で
仕事をさせていただきましたことを
訪れて下さったお客様を含め岡山の皆様に
有難うございました。






カフェソメイエさんのお菓子とともに。





「喫茶のこと」特製ブレンド珈琲豆「inori」と堀仁憲氏の器。


 


私が岡山入りした時にはすでにギャラリーには喫茶空間が
あらかた出来上がっていました。

堀さんとギャラリーのオーナー末藤さんが什器を設置下さっていたのですが、
まるでねじまき雲が出現したかのような違和感の無さに驚きました。

展示とは関係なくとも、画像にあるような絵画を三方に配置くださり
喫茶を演出してくださる辺りなど、
何が重要かを把握し楽しみ、
いかに色を添えるかを心得ていらっしゃる
お会いしたことが無くとも言わずもがなピタリ共鳴できる意識の高さ。
ある意味恐ろしい企画でした。

「カフェドグラス」末藤オーナーはじめスタッフの皆様には
深く感謝いたします。

ご助力くださいました「オカズデザイン」さんも有難うございました。


出張珈琲は終わりましたが展示自体はまだ続いておりますので
この機会に私の要求も組み入れてくださった
器たちをご覧なりにいらしてください。

~10月4日(日)

11:00~18:00

水曜日休廊

最終日は16:00まで

詳しくは「カフェドグラス」さんHPhttp://www1.odn.ne.jp/~cao34500/2015hori-sakano.htmlご参照のこと







堀仁憲氏撮影「喫茶のこと」風景。








最後に東京から岡山県牛窓に移住された知人宅にもお泊めいただきました。

突然の来訪にも関わらず、昔も今も変わらない笑顔で
温かくお迎えくださったお二人
有難うございました。




港町からほど近い海辺。

引き潮で歩けるようになった岩礁を歩くと、

タイドプールに小さな生命がひしめいていた。

取り残されたのでは無い。

そこに居たかっただけ。

それを選択したのだ。

これは東京だ。

ふと、そう感じた。

居るも出るも自由。

居る理由も出る理由も

行った先ですることも

様々。

大切なのは、

自ら選択し動く


ということだ。


海は、広い。

珈琲も、広い。

まだまだ先へ行こう。。。















よく散歩をする道沿いの神社には、池がある。

その池は風が凪いでいると、

空いっこまんまを、沈めたみたいに水鏡へ投影する。

水が綺麗だと、いろんなものを包み隠さず映してくれるのだ。

お社があるところ、祭りはつきものだ。

5月。青梅も国分寺もお祭りで山車が出る。

祭りが近くなると、にわかに街は色めきだつ。

祭囃子がチャカポコ聞こえ始め、ジュウジュウ湯気むせぶ屋台が立てば、

山車を引くほうも、それを見るほうも、額に汗しながら笑顔で街を練り歩く。



私は引くほうより見るほうが好きだ。

なんでって、やる側は美味しいものを食べる暇がない。

踊る阿呆より、食う阿呆なのだ。私は。

そんな私も過去数年、山車を引かせてもらう貴重な体験をしたことがある。

一日中、山車を引いて歩くと大人数で引いたとしても、とても疲労する。

水分補給に日本酒をやるので、頭も体もふやけて体中から

まるで良い出汁が出るみたいになるのだ。

マツリでダシをヒク。


話しはまったく飛ぶのだが

先日当店では「スープの時間」というイベントをやった。

テーマは出汁。


大きなイベントは、私にとってマツリだ。

マツリが近づけば心拍がトクトク否応なしに上がって、

待つほうも、やるほうも色めきだつのだ。


再三言わせていただくが、私は踊る阿呆ではない。

だから自分のマツリでは、旨いものを食えないと私の機嫌が悪くなる。

むしろ旨いものを食わせてくれる人としか、マツリはしないのだ。


今回も当然旨いものを作ってくれる「いずん堂」さんという

カフェとコラボレーションさせていただいた。

しかもスープは土台の出汁からして透き通るように輝いているのだから

旨くないはずはないのである。なんでも映す黄金鏡だ。


くどくど言うが、踊らない阿呆は山車は引かない。

出汁は、引かない。のである。


出汁を引く主役は「いずん堂」さんだった。

存分にねじまき雲の舞台で舞っていただいた。


山車を壮麗に飾る彫り物にも似た緻密さで、

物販「出汁レシピ」の版画をご提供くださった田中彰さん。


それらを楽しんでくださったお客様方。


熱い熱い三日間だった。


早朝バイクで青梅に向かうと

車通りもまばらな車道に、いく筋も蛇が這いずりまわったような

痕がついていることに気づく。

山車が何本も巡った軌跡が残されているのだ。

日にちが経てば消えてしまうその筋だけが、

そこに祭りが存在したことを物語っているようだ。


山車の語源は「出し物」とも言われる。

その名残りで山車を屋台と呼ぶところもあるそうだ。

出し物とはすなわち、英語でいうところのイベントだ。


イベントがはけたガランとしたお店は

なんだかもぬけの殻のようで少し寂しい。

イベント「スープの時間」を終え

後片付けをしていたら、窓辺にひとつだけ出汁レシピの版画が

搬出し忘れて残っていた。

「いずん堂」の佇まいを刷った一枚。


残り物には福がある。

「ねじまき雲」に残された「いずん堂」を

しかるべきところにお届けにあがると

朱塗りの椀で、出汁のきいたおみおつけにありつけた。

やはり私は食う阿呆なのである。


「出汁を引く」と言う。

山車を引くことに被せて、江戸の職人たちが小粋にそう言い始めたのを

料理人たちが使い続けているのだとも聞く。


出し物の残り物の、木版画。

そこから微かに遠い祭囃子と

ふわりと出汁の香りがするような気がした。




          (完)




「スープの時間」

皆々様には暑い中、お越しいただきまして

誠にありがとうございました。

このような楽しいマツリの機会をくださった

「いずん堂」さん、ありがとうございました。

また、イベントの脇固めとしてキリリと空間と物販を締めて下さり、

当日はお手伝いまでしていただきました大活躍の

作家、タナショウこと「田中 彰」さん、

本当にありがとうございました。










船出。




何かを決心したとき、誰にでも訪れる




新たなステージへのひと漕ぎ。












「スープの時間」の主役、門野シェフの作る
ポタージュスープの素として浮かぶ、
ネギのブーケガルニ。

まるで黄金出汁の海に漕ぎ出す銀箔の船のよう。
たくさんのスパイシーな夢と希望を詰め込んでいます。

門野氏もまた、処女航海に出るこのブーケガルニのよう。
なぜなら外でのイベントは、今回が初出店なのです。

もともと侍みたいな方なのですが、
初陣を飾らんとする武将のような気迫と武者震いが
もうキラキラと輝いて見えます。









普段の彼のお店には、スープの他にも
曜日によって趣向を凝らしたメニューが沢山あります。







定番品としましてはサンドイッチもありますが、
旬によって変わる具材も味わえます。
これは自家製スモークサーモンのサンドイッチ。
鮮やかなピンク色からほの立つ芳しさと、
門野シェフ特製ソースの艶やかな光りが
食欲をそそります。

どうやら、今回のイベントでも、スープだけでなく
数量はいずれも限定となりますが、
いくつかオリジナルの軽食をご用意してくれているようなのです。
内容は始まってからのお楽しみとしてあまり明かせませんが、
こちらのスモークサーモンも普段とは趣向を変えて
ご登場願えるようです。楽しみですね。









指を指し差し、出汁の説明をしてくださっている門野シェフが
幾度となく仰っていた言葉。

「なにもしない」

ただし、しきりに真剣な眼差しで、灰汁を掬っておられました。
常に鍋と付かず離れず。
気にせず気にする。
この一見相反する矛盾したような行為が、
素材と意識とピタリと寄り添えた時、
優しさの溶け込んだ黄金の出汁が出来るのでしょう。

この感覚も、前ブログで述べた私の珈琲感と似ているような気がするのです。



そしてフィナーレで出汁をドリップする。







『あぁ、やっぱりそうなんだ。。。』


私の中の何かが、この瞬間そう囁きました。

門野氏は料理をしているようで、珈琲をドリップしているのと同じ。
私はきっと珈琲をドリップしているようで、料理をしているのと同じ。


何をやるか。

ではない。

どういう姿勢と眼差しで向かい合うか。

それさえできれば、皆同じこと。

これが、いろんなくだらない垣根を越える秘訣かもしれません。



あぁ、そうそう。
そういえばお伝えするのをすっかり忘れていました。
門野シェフの

このお店の名前。



その名を、「いずん堂」http://izundou.com/

と云う。


緑多き住宅街に楚々として佇みながら


堂々としてある、


紙に護られしカフェ。




いざ雲へ。







イベント


「スープの時間」




5月24日(日)25(月)26(火)

場所:ねじまき雲(陽)

14:00~22:00 LO21:30

23日(土)は18時までの営業となります。
*LOは17時となります。



*狭いお店ですので
時間帯によりましては混雑が予想されます。

お越しのご予定の皆様も
熱中症や雨などお気を付けくださいますよう
お願いいたします。

どうぞお誘い合さないで、お一人かお二人で
お越し願えれば幸いです。

何卒宜しくお願いいたします。

*なお、人出によりましては欠品するものも
ございますのでご了承ください。








 


真夏のように暑い日が続いた。



もうすぐ多摩川の鮎が解禁だろうか。



解禁。



なんとも魅力的な響きだ。




禁じられていたものが解き放たれるのだから。









ねじまき雲の珈琲は青梅で焙煎されています。
大概が早朝。
バイクで、ときには電車でガタゴトと出かける面倒くさい生活です。
植物の種に含まれる栄養を
物理的だったり情熱だったり、あらゆる熱を加えて
次の段階に変化させに行くのです。


 


素材に向き合い手間暇をかけます。
お金があればもっと違うやり方もあるのかもしれませんが、
無いなら無いなりに、無い知恵を絞り
丁寧に作業を進めるしかありません。

その辺の店の事情やいきさつは、こちらのサイトに
http://www.nonowa.co.jp/areamagazine/blog/201505/04.html
取材を受けました記事が掲載されておりますので
当店にご興味がおありの方は覗いてみてください。

地域サイト「ののわ」に載せて頂きました。

それこそ丁寧に時間と労力をかけて取材くださった
ライター西田さん、有難うございました。
この度の当店イベント「スープの時間」に関しても
情報を載せてくださっております。





私はテキトーにいい加減に生豆をハンドピックしています。
「適切に良い加減で」ということです。
ただ丁寧にやればいいというものでもありません。
やり過ぎたり時間をかけ過ぎると、せっかくあるものを
殺してしまう場合もあるのです。

そのさじ加減が、私という人間味を含めた風味を
添加してくれるのだとも思います。


 


さて、鮎だけではなく暑くなると当店にも解禁を心待ちにされている?
メニューがいくつかあるのです。

その一つが水出し珈琲です。

私の珈琲人生の中で唯一納得のいく出来と言っては
他の珈琲に失礼なのですが、それほどこれはしっくりきたなと
思えるものが水出しなのです。
水出し専門のバーを開いてもいいかな?と思ったくらいです。

これがまた残念なことに、私の面倒くさい性格から
それを再加熱して温めるということを許さないものですから、
自然、涼しくなるとお役御免状態。
一度に4杯ほどしか作らなくても出ないので
日がたてば捨ててしまうようになってしまいました。

自分が一番旨いと思うものが、一番出ない。
それほどに他のメニューに比べるとマニアックということなのでしょうが、
これを飲みに足を運んでくださる方が
数人いらっしゃることも事実です。

ですので、
暑くなったら復活する定番メニューという
おかしな位置づけになってしまいました。


しかし今年はひと味違います。


日曜日から始まるイベント「スープの時間」

これに合わせ、定番ではなく
イレギュラーな他店に卸しているブレンド珈琲で
この水出し珈琲の復活解禁という
新しい試みです。

他にもイベントでは

この他店様の
出汁感のあるブレンド珈琲を
私がねじまき雲の淹れ方でコーノ式を用いご提供し

それとは別に植物のクセのある香り、渋み酸味という
言わば甘くコクのある出汁にのせる表層の味をイメージした
イベントオリジナルブレンドもご提供いたします。

他にもねじまきサイドでは数品のオリジナル珈琲を
お出しする予定です。



一緒にイベントをしてくださる門野シェフの出汁の極意

「なにもしない」

の極地。珈琲だとそれは、水出し珈琲。
余計なことは何もしない。
素材と、水と、時間と、地球の重力とが
いい加減に
作ってくれるのですもの。


水出しだけに、水出汁。


締めがオヤジギャグで、
どうもすみません。


イベント


「スープの時間」




5月24日(日)25(月)26(火)

場所:ねじまき雲(陽)

14:00~22:00 LO21:30



にともないまして

明日23日(土)は18時までの営業となります。












イベント


「スープの時間」




5月24日(日)25(月)26(火)

場所:ねじまき雲(陽)

14:00~22:00 LO21:30



にともないまして

20日(水)の青梅営業は休業

23日(土)は18時までの営業となります。




画像はイベントとはまったく関係ないのですが、
エスプレッソ担当くるぶしが休日に作る
勝手気ままクッキー

「くるぶし玉」

まるめるのが上手いみたいで可愛い形です。

天才的な感性でクッキーを焼くので、
失敗と上出来の差が酷い。
彼女は学生時代、部活の先生にも

「おまえには真ん中がないんだよ!」

と言われていたそうで、それは大人になった今でも同じようです。

しかしズバ抜けた感覚的才能は私のような変態的凡人の比ではないので
思いもかけない大傑作が、家庭内で生まれることも珍しくありません。

「くるぶし玉」「縄文風クッキー」「色黒ホットケーキ」

自分が食べるためだけに作っているそうで
私さえ良ければ世の中それでいいという自己完結タイプ。
世に出ぬ才能を保有する者ほど勿体ないものはないな~と
毎度思ったりしますが、
私も似たタイプなので同じ穴のなんとやら。
他人のことはとやかく言えません。

もしいつか珈琲店ができなくなったら、
この天然自由娘に養ってもらわなければならないので
その時までお待ちください。

真ん中は、
ないんですけどね(笑)。





タナショーは削る。



命を浮き立たせるために、削る。





そのお店に珈琲の納品に行くようになってしばらくすると、
時折耳にする魔法の呪文があったのです。
そのお店とは、前々述のブログでご紹介した「スープの時間」の主役のお店。
前述のブログでご登場いただいた門野氏がオーナーシェフを務めるお店です。

呪文の言葉は「タナショー」

会話の端々にこの言葉が登場するようになりました。

ハラショー?
ショーケン的な??

ちょっとロシア風の響きでもあり、
一昔前の探偵ドラマ俳優の呼び名のようでもあります。


こちらのお店は武蔵野美術大学の目と鼻の先にあります。
その面構えは京都の小料理屋のように端正で
格式高い格子で覆われているのです。
おいそれと、若者が何気なくというわけにはいきません。
志し高き若人だけが、この門をくぐる切っ掛けを手にするのでしょう。


その一人が彼、タナショウこと田中彰さんでした。
彼は在学中、母校とこの父なるカフェと自宅とを往復する
黄金のトライアングルの中で学生生活を過ごしました。
それゆえに、田中さんにとってこのお店は
かけがえのない生活の一部であり
自分の心身を形作る一部とまでなったのです。

それと同時に
カフェにとっても彼は、かけがえのない存在となっていきました。
ある日彼が作った作品の一つが、
偶然にも門野氏が長年探し続けていた絵、そのものだったことまである位に。

田中さんは大学院を修了し、工房を構えご活躍しながらも
いまだご自宅と工房とこのカフェの、
黄金のトライアングルを崩さぬ人生を送っておられます。

彼は木を彫る男です。

彼の心の刀は、非常に緻密に対象のもつ造形の
内部や背景に潜む、目に見えぬ線までをも
削りだしていきます。
そしてそれを時には版画として紙へと写すのです。

紙。





  



紙と言えば門野氏のお店は、四方の壁からテーブルに至るまでの地が
紙で覆われている珍しいカフェなのです。


この紙はただの紙ではありません。
手すき紙。 染紙。
門野氏の尊敬する「紙舗 直」という紙屋さんの紙なのです。

直さんの理念は



「紙と人との間を模索」すること。



これもまた偶然ですが、田中さんが版画に用いていた紙も
そのほとんどが直さんの紙なのです。







門野氏は言います。

「直さんの紙は、その中から自然と出るものがあるんです」

出汁としての紙。
そう言えないこともないかもしれません。


それはとても感覚的なことなのでしょうけど、
田中さんもその感覚を共有しうるお一人だということは確かなようです。

古来より 紙 = 神 であるという意識があると
聞いたことがあります。
だから紙に書いた願いは叶うのだとも言われますし
しめ縄など神事に使われる紙垂も、紙なのです。




ねじまき雲で行われるイベント「スープの時間」

お客様に出汁が自然と滲み出たスープと珈琲を楽しんで頂いて、
その場で終わらせてしまわないように。
門野氏が特別に、ご家庭でも作れるように編み出した
黄金の出汁のレシピを
作成し販売してくださることになりました。

そのレシピ。
どうやらただ事ではないようです。

門野氏と一心一体の田中彰さんが、
出汁をとるうえで重要な場面の絵を
一枚一枚版を彫り、一枚一枚手刷りした作品を
趣向を凝らした手作りのレシピ入れに
納めるというではありませんか。

なんと・・・手間のかかることを・・・


鰹節のように削られていく木という生命力から、
出汁たる紙に転写される

神の宿りし秘伝、黄金の出汁レシピ。


これがまた、一品一品手仕事による作家の作品集のような
秘伝のレシピにも関わらず
驚くべきお値段になりそうなのです。

高いの?安いの??

どちら側に驚いていただくかは、お越しになってからの
お楽しみに。

ただ一つ心配なのは、
果たして会期までに完成するのかしら?
・・・それだけが、心配です(笑)。


 




コラボイベント


「スープの時間」




5月24日(日)25(月)26(火)

場所:ねじまき雲(陽)

14:00~22:00 LO21:30


詳細は追ってお知らせいたします。



田中 彰 HP http://www.tanakasho.com/












誰でも服を着る。



きらびやかだったり、スポーティーだったり。



誰かから見られることを意識して、表面に纏う。



でも皆、外からは見えないところにアンダーウェアという



肌着を、身に着けている。









「ブラジャーですね。」

そう彼は言うのです。

「門野さんにとって出汁とは何ですか?」

そのアンサーは、ブラジャー。


ポタージュな男、門野志考さん。

若かりし頃はスポーツウェアのデザイナーとして
人体を思考し、
または風来坊な自由人のように
夏は山荘の喫茶店のマスターとして、
冬はスキーのインストラクターとして、
信州の山野のむせびかえる四季を、
身体で吸って生きてきた。
海外の厨房で包丁を握った経験も持つ彼の血には
和洋折衷なファンデーションが詰まっている。
そう私は思うのです。






そんな彼が出汁に見るビジョンは、ブラジャー。

笑いながら彼は続けていうのです。

「出汁って、外からは見えないじゃないですか。
見えなくてイイものなんスよね。
でも下支えがないと、乗っかった味が薄っぺらくなりますから」

でも門野さんの思想はあくまで

よせて、あげて。

とまではいかないのです。

彼にとっての出汁の味や香りとは、

「いい加減(良いかげん)」であること。
「ようは、やり過ぎないようにする」ことだそうです。

それは、それ(出汁)に乗っかる表の味や香りである
旬の素材、野菜の華やかさを殺さないように
装わせる出汁であるということらしいのです。
そして何より、
味わう人が重くなり過ぎないようにという優しさを
彼はいつも考えているのです。

その人が自然に輝くように、肌に無理なくフィットする
下着のようなもの。
スポーツウェアのデザイナーから料理のデザイナーへ。
その志し考える根底は一貫されているのです。

彼のコーディネートした、愛情の滲み出るポタージュスープは

だから輝いて見えるのです。



 






そう言えば、私は小学校の通信簿の先生のひとことに

「縁の下の力持ち」と書かれたことがあったのを思い出しました。

私自身の性質が、

出汁なのかもしれないなぁ・・・。




コラボイベント


「スープの時間」




5月24日(日)25(月)26(火)

場所:ねじまき雲(陽)

14:00~22:00 LO21:30


詳細は追ってお知らせいたします。












しきりにその人は言うのです。




「余計なことは何もしない」



「てきとーです」




と。







春の桜に人生を写し、

若鮎の菓子に初夏を感じ、

秋鳴く虫に涼と風情を、

雪降る夜を、しんしんと。


日本の、日本人のそういう感性が好きです。
そういう日本で生まれ育った私が愛したのは
珈琲という舶来の飲物でした。

お店を作る時、珈琲を創る時、
いつもそういう日本らしさを
自分なりの方法で織り込めないものだろうか?
と考えています。

たとえば、日本の料理の土台には欠かせない
コクや旨みや甘み。
科学的成分としては必ずしも珈琲の中のそれとは
完全に一致しないものでしょう。
でもそのようなニュアンスを
珈琲に感じることがあるのです。

私が頭がおかしいからでしょう。

とても珈琲の表現としては不適切である

出汁つゆの風味

味噌のような

納豆のような

穀物の香味酸味

山菜の渋み甘み

そういう旨みや甘みを
他人の珈琲にでさえ感じることがあります。
そしてそれを嫌とは思わず
そういうものと出逢えると
なんとなくしっくりとまったりとくるのです。

そしてそれが心地よいと気づいてからは
無理には、執拗には
スペシャルティーであることや
フルーツやジュースや紅茶のようであることを追うことも辞めました。
かつて私もそういうものを追いかけ、心酔していた時期がありました。
フェアトレードを叫ぶこともオーガニックを推すことも
辞めました。

コーヒーマイスターであることも辞めました。

そういうものを否定するのではありません。
むしろそれらの楽しみを知ることを怠ってはいけません。
すべての真面目に取り組まれた珈琲は、楽しく美味しいのです。
多くの作り手が美味しく楽しくその道を体現しているのであれば
私は私の道を行けば良いと気づいただけなのです。

無論当店の珈琲にもそういう企画にはめようとすれば
当てはまるものは沢山あります。
でも貴重なシングルオリジンであっても私にかかれば
残念ながら、ごちゃごちゃにブレンドの材料にされてしまっています。
皆の想ういい酸味の出る点を無視してオーバーローストさせることもあります。

私にとって珈琲とは、どこまでも趣向品です。
純粋な生命維持には不要のものです。
健康的一面はあったとしても健康食品とは捉えていません。

しかし私という心身を維持するには必要不可欠のものです。
この日本という風土も、私という心身を構成するに必要不可欠のものです。

こうして私は、出汁のような甘みや旨みやコクを
自分の作る珈琲に求めるようになっていきました。
そういうものに丁寧に。丁寧に。丁寧しか出来ない。
分かりにくく不器用な珈琲です。

これが、私の珈琲感。



ある時私は、和を下支えにしたしつらえながら
「カフェである」というお店と出逢いました。
和カフェとはまた違う、喫茶店のようでも
小料理屋のようでもありあます。

長年自分の日常に置いておきたくなる
居心地の良いお店です。

当店からもそう遠くはありません。

いつの間にか当店の珈琲も
扱ってくださるようになりました。

いつもそのお店に行くと何故か頼んでしまうメニューがありました。


「ポタージュスープ」


なのです。

その時々の旬の野菜を閉じ込めたようなスープ。

地味といえば、地味なメニューですが
滋味が溶け込んでいるのです。

あぁ~・・・この春らしいエグミというか渋み。
はぁ~・・・この夏の青さと甘み。

そしてしみじみとホッとするのです。

このしみじみは何だろう?野菜なのだろうか?
いやもっと奥にある何かだ・・・。
これは?出汁?

そう、このポタージュスープは洋のしつらえを纏いながら
その下支えにあるのは、まさに出汁の旨みなのです。


何故このお店に来るとこれを飲んでしまうのか
解かったような気がしました。

これは、私の珈琲感と近いのだと。



珈琲豆を煎る時、私は
てきとーに、感覚でハンドピックをします。
焙煎をするとき、必要以上にダンパーを動かしたり
火を調整したりすることもしません。

何もしない。素材に任せる。止めるタイミングは気を遣う。



そのカフェの、高倉健みたいに不器用なご主人は
黄金の出汁を作るところを
見せて下さった時、しきりにこう言うのです。



「余計なことは何もしない」



「てきとーです」




と。



珈琲もスープも塩梅がミソ。なのです。



珈琲 ≒ ポタージュ                                      



だからやります。


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